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うろほろぞ
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トントンと小さなノックの音に
「誰何」と十常侍は声をかけた。
しかしドアが開く様子はない。
十常侍はめんどくさそうに自らドアを開けた。
そこに小さなサニーが申し訳なさそうに立っている。
「あの…この間はごめんなさい。サニー、おじさまがなにをおっしゃってるのか、わからなくて…」
十常侍はすっかりうれしくなって、サニーの頭を撫でてやり袂から渡したかったお菓子を取り出した。
「これ、サニーにくださるの?」
十常侍が満面の笑みでうなずく。

それから十常侍は楽しくて仕方なかった。
ぬいぐるみや人形に命を吹き込んでサニーと遊ばせたり、一緒にかくれんぼをしたりした。
サニーは今までの警戒はどこへいったのやら、十常侍の執務室いっぱいに拡げられたオモチャと戯れ、十常侍の不思議な袂から出てくるお菓子を食べた。
楽しい時間はすぐに過ぎてしまう…。
十常侍の執務室を夕焼けが染めるころ、樊瑞が迎えにきた。
「サニーここにいたか。もうすぐ夕食だぞ」
「はあい」
遊び疲れたサニーが樊瑞の手を取る。
ぬいぐるみを持っていた十常侍の表情が沈んだものとなり、彼はそっとサニーに背を向けた。
サニーは樊瑞から手を離すと、とことこと十常侍に近づき大きな袂に隠された十常侍の手を取った。
「おじさまもいっしょに」
小さな手の温もりに触れ、十常侍はサニーを抱きしめる。
「愛々」
そうして大きな袂で少しだけ浮かんだ涙を隠すと、再び樊瑞と手をつないだサニーの、もう片方の手に引かれて部屋を出た。
きっと今夜の夕食は忘れられないものになると思いながら。


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