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うろほろぞ
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修行中はさすがに集中しているが、師匠の夕餉の支度をしている時など、さすがにボウっと
している事が何度かあり、そのせいで鍋を焦がしてしまうことがあった。
何度目かのおこげを作ってしまった時、
その様子を見ていたトロガイ師が、ギロリと睨んで言った。
「何だかここの所、気が乗らない時が多いじゃないか。
バルサが居ないのは、いつもの事だろうに。」
「そうなんですが、・・・すみません師匠。」
片眉をしかめつつ、トロガイが続ける。
「ふん。飯を上手く作るのが取柄のお前が、こんな焦げをこさえるほど思ってたりしたら、魂抜けを起しちまうよ。」
タンダは驚いて言った。
「ええ?まだ、呪文もなしにそれを出来るほどの腕は無いですよ?」
「あほう!人が執着心でもって魂抜けする事は多いと教えたろうが!
普通のやつでも、執着していりゃあ、魂抜けしちまうんだ。ワシ等呪術師はなおさら抜けやすい。
あまり執着しないように、注意しな。」
「は、はい・・・。」
返事をしながらも、感情をそれほど自在に抑えることが出来るなら、どんなに楽なことか、と思う。
それを見透かしたように、トロガイ師は言った。
「まあ、そうは言っても心というのはなかなかにこうしろああしろ言う手綱を受け付けんものだ。
なら、魂が完全に抜ける前に、軽く心を発散させる方法がある。」
「え?そんなのがあるんですか?」
「うむ。夢見の術を使うのさ。執着しているものの夢を見させることで、多少なりとも満足出来るもんなんだよ。
まあ、これ以上焦げた鍋を食わせられるは真っ平だし、その術を教えてやろうかい。」


180の続き。

「さて、夢を見る術は多用してはならんと言うておく。
望みの夢を見る方法と、望みのものを見つける夢を見る方法と2通りあるんじゃがな。
どちらも、それぞれの理由で危険があるんじゃ。
基本は枕の裏に口をつけて、見たい夢の内容を声を出して唱えるってもんなんじゃがの。
それじゃあ、気休めのまじないにしかならん。
これに、呪術を助ける薬草の香を用いて、効果がある呪術となる。」
トロガイはそこで息をつき、酒をちびりとすすった。
「まず、さして害の無い方じゃが、気鎮めの薬草カモナと、眠りを浅くする薬草ニッカを使う。
眠りが浅い時には、夢の内容を比較的自分の自由にしやすいからな。
しかし眠りが浅くなるって事は、寝不足で体が弱るってことだ。だから、術の多用はいかん。」
ここで又湯のみに酒を注ぎ、今度はグビリと煽る。
「で、次が問題じゃ」


「思い人と会う、知りたい知識を知る、という夢を見る方法なんじゃがな。」
トロガイは口の周りを舌で湿らし、深遠を語る準備をした。
「人の夢というのは、それぞれの魂の深い所でつながっておるのよ。
ほれ、朽木のキノコが一見別々に生えてるように見えて、木の皮をめくると
その下で細かな菌糸でつながってるのがわかるじゃろ。
あんなふうに、それぞれの人間は別々に暮らしてる様に見えるが、魂の糸で繫がっておるんじゃな。
その糸に沿って、自分の夢の菌糸を伸ばし、思い人に会いに行ったり自分が知らん知識を別の頭に求めに行ったりする方法よ。
これは気沈めのカモナと、眠りを深くするムラハを使う。」
「しかしな、キノコの下の菌糸が思いもかけぬほど朽木の奥深くにはびこっているのと同様、いやそれ以上に
人の心ってのは底なしの海のようなものでな、オマケに意識の底に行けば行くほど剥きだしの情念が渦巻いておる。
特に人の夢ってのは、相手の情念をモロに受けたりすることもあるからな。時に心に深い傷を受ける時もある。
じゃからて、多用はいかんのじゃ。」

「お教えありがとうございました、師匠。」
タンダは呪法を授けられたときの決まりの礼を取ると、夕餉の後片付けを始めた。


その2・3日後。
トロガイは町の商人から請われて、商取引の吉凶の見立てに出かけた。
タンダは早速夢の呪法を試して見ることにした。
自分の見たい夢か、バルサの心に触れる夢か。
(おれは人形に会いたいわけじゃない)
しかし、バルサの心を覗き見る事になってしまうのでは?
(まさか。初めての術で上手くいくかもわからない。
腕試しのようなものさ。夢の菌糸を伸ばす方法を試そう。)
薬草の香を焚き、心を鎮め枕の裏に口付けて唱える。
「バルサに逢いたい。バルサに逢いたい。」
そしてダンダは床に付くと、心地よい香りに導かれ、すうっと眠りに落ちていった。

気がつくと、そこは岩山に張りつくように走っている道の上だった。
カツーン カツーンという音が聞こえる。
(ここは・・・カンバル?)
それはバルサに聞いた、バルサの故郷、カンバルの地を思い起こさせる風景だった。
厳しく人を拒む、荒涼とした景色。
ふと、胸が張り裂けるほどの寂しさを感じた。
と、曲がりくねった山道の向こうに、恐ろしいほどの殺気を感じ立ちすくむ。
しかし、その気配は紛れ様もなく幼馴染の気配をまとっていた。


なんか、うざくなっちゃたかなあ。と思って今日は一気に投下したかったんですが、ちょいまとまりが・・・。
BS夜話見たいし。早めに投下します。
(な、バ、バルサ・・・?)
濃厚な敵意、殺気、時に狂気が混じる気配、タンダは心底震えた。
こんな剥きだしの殺気を感じたのは、初めてだったから。
そもそも、ヨゴは穏やかで、ヤクーも争いを好まない部族だ。
時々親、兄弟から呪術師など自分の食うものも作らない、と、揶揄されるタンダだったが
そんな嫌味など軽く鼻を抓まれた程度の嫌さだった。
しかもこれは、漏れ出した気で自分に向けられた物ではない、と直感した。
それなのに、これほど激しい敵意を感じたのは、生まれて初めてで、どう身構えればいいのかわからない。
(ああ!?)
バルサの気配が、攻撃から防戦に移ったことを感じた。
(バルサ!)
タンダは夢の中で大きく呼吸を整え、下腹に気をため、バルサに向かって駆け出した。

岩壁の向こうに開けたのは、岩山に張りつくように建つ山城、その城を飲み込むように人とも蜘蛛とも付かぬ
影のような怪物が立っている。
圧倒的な大きさのその怪物を相手に、バルサは狂乱の戦いを繰り広げていた。
「ぐぁぁぁああああ!!! 死ね!死ね!死ね!殺してやる!」
槍が光る
「よくも!父さんを!ジグロを!私を!!!殺す!殺す!!!!」
光が閃く。

(あ、あれは、バルサの中のカンバル王なのか?)


逃げても逃げても追ってくる、バルサの人生を狂わせたカンバル王にバルサは巨大な蜘蛛の網を投影しているのだろう。
槍が閃くと、蜘蛛の足が何本か切飛ばされたが、その切り口から何本もの太い蛇が勢い良く吐き出された。
バルサを絡め取ろうとせまる。目に留まらぬほどの動きで槍を繰り出すバルサ。しかしとうとう絡め取られた。
「あああ!離せ!離せ!」
蛇はバルサをギリギリと締め上げ、擦り切れた服を苦もなく破り、なぶるように素肌をまさぐっていく。
バルサの体に、自分の巣穴を見つけ、もぐりこもうかというように。
「い!いやだ、やだあああああ!」狂ったように身悶えるバルサ、その動きは蛇を外すどころかその身にかろうじてまとっている
着物をはだける動きにしかならなかった。片胸が露わになり、上気し紅く染まった乳頭が震える。
タンダは弾かれたように声をあげた。
「バルサ!」

「タンダ?なんで、ここに?あぐ!!!???」
タンダを見て、一瞬抵抗が緩んだバルサの隙を捉えて、蛇がバルサの口を犯した。
吐き出そうと、舌を思いっきり突っ張るが、蛇はぐいぐいと食道を目指す。
その動きは今まで、バルサが何度も見た悪夢。バルサを串刺しにしようとする動きだ。その次は決まって下から・・・。
(嫌だ!タンダに見られたくない!)
必死でひざを折って足を閉じ、女陰への進入を防ぐ。
バルサを嬲る蛇はいまや数え切れないほどになり、まるで小魚を捕らえた磯巾着の触手のように蠢いた。
「バルサ!しっかりしろ!これは夢だ!夢なんだ!気をしっかり持て!下腹に力を!気を込めるんだ!」
タンダはバルサに駆け寄り、幼馴染の口を執拗に犯している影の蛇を引きむしりながら怒鳴った。
使いなれた山刀を思い浮かべ、悪夢避けの呪い文句を唱えながら蛇の茂みを切り開く。
「う、ぐはっ!ゲホッ!タ、タンダ」
「しっかりしろバルサ、カンバル王がどんなに強大でも、人なんだ。こんな怪物じゃない。これはお前の恐れなんだ!」
ようやくバルサの肌にたどり着き、汗ばむ肌をしっかりと抱きしめ、耳元で気沈めの呪文を唱える。
母の胎内で聞いた鼓動のような原始的で揺るぎのない旋律。

いつの間にか蛇は消え、トロガイの小屋の中で抱き合う二人が居た。


「ここは・・・、山小屋?」
「あの場所じゃ、落ち着けないと思ったんでね。
申し訳ないが、俺が一番落ち着く場所を思い浮かべさせてもらった。」
「そうか、やっぱり夢なんだな。」
ふ、と顔をほころばせてバルサがつぶやく。
「うん、でも心は本物だよ、夢の中だから淡雪のように崩れやすくはあるけどね。」
「でも、気をしっかり持てって言ってたねえ。」
タンダは自分の夢の場が大丈夫か見回し、そろそろとバルサに絡めていた腕を解いて隣に座った。
自分の上着を脱ぎ、バルサの肩に掛けてやりながら、答える。
「気をしっかり持たないと、普段なら考えられない様な動揺をして、悪夢に囚われたりするからさ。」
バルサは、掛けられた着物に気付ず前を合わせようともしなかった。放心したようにつぶやく。
「じゃあ、私は修行が足りないんだな、でも、ダメなんだ。いつもあいつを殺すことばかり考えてしまう。
奴を倒すために狂乱するんだ・・・そして、その結果はいつも私の負けさ。」
「しょうがないよ、それだけの事をされていたんだろ?怒りに身を焦がすのは当たり前さ。」

(確かに、激しい怒りなんだ、あの夢は。でも、あの時、なんの遠慮もなしに槍を振るう時、私は、・・・私は怒り以外の気持ちも感じている様な。)
夢とはいえ、心は体に影響を及ぼす。激しい戦いの夢を見て、現実のバルサの体は動機が激くなった。
いつものあの悪夢では、蛇に上下から刺し貫かれ、串刺しの山羊の様に無残な屍を晒す、と言う所で飛び起きる。
背中に滝の様に、冷や汗をかいて。
しかし、今日はタンダに救ってもらった。そして、体をと心を冷やす現象は起きなかった。
では、今、体の火照りをどうすればいいのか。

「ダンダ」
「なんだい、バル・・・んっ??!!!」
バルサの肉厚で柔らかな唇で口をふさがれ、タンダの声がくぐもる。
しかし、戸惑ったのは一瞬で、すぐにバルサの口唇の動きに答えた。
ちゅ、ちゅく、ぴしゃ、ぴしゃぺしゃ、ちゅちゅ
前歯茎の上をなぞり、歯を開かせるとまるでそれが別個の生き物であるかのように、
御互いの舌を絡め合せ、舌同士で愛撫を行い、高めあっていく。
ようやく唇を離すと、ねっとりとした唾が糸を引いた。
はあ、は、はあ・・・。
数度の荒い呼吸で二人をつないだ唾液の糸が切れると、タンダはとても惜しいような気持ちになった。

「これも・・・夢なんだろ?なら、いいよね。」
「ああ、いいよ。」
二人の体から、衣服が消えた。


夢の中に、信じられないほど奔放なバルサが居た。
それは胸に燃える激しい怒りと、密かに気付き始めた自身の戦いへの渇望を、性で昇華するための行為だった。
タンダの胸を脇から乳頭へとまさぐりつつ、乳首を舐め上げ、乳頭を舌先で転がす。
その手は円を描きながら徐々に脇腹から臍の脇を過ぎ、まだ柔らかな少年の茂みを目指す。
(バルサが、俺を求めてくれている。)

夢の中では、遠慮など吹き飛んでいる。しかし、経験など無いも等しい二人。
少女の手はぎこちなく、もどかしい。だからこそ、愛おしい。
バルサの動きを制して、めちゃくちゃに彼女の蜜壺を貫きたい。
だが、こんなバルサの求めなど・・・これから先、夢でもあるだろうか。
タンダは、思い人に求められる喜びを感じて歓喜し、
自身の高ぶりのままに彼女を凶暴に貪りたい、もみくちゃにしたいという欲求を必死に抑えた。
そして、薪割り章魚のある硬い手のひらで可能な限り柔らかに、少女の髪を、しっとりと濡れた背を、首筋を、愛撫する。
「うぅ、ぁあああ、バルサぁあ!」
バルサの口唇による愛撫が、陰茎に達した。
躊躇せずに浅黒いタンダの肌の中でも黒々と光る、起立したそれを含むが、どうすればいいのかわからないのだろう。
ただ咥えて「ちゅ、ちゅ」と鼠鳴きのような音を立てて吸うだけのバルサ。
「バルサ、舌を、もっと動かして欲しいよ。そう、棒飴を舐めるように。股の裏の、縫い目のような筋に沿って・・・、うぅ!」
「・・・んむ。こ、こうかい?それとも、こう?」
律儀に答えるバルサは、陰茎の裏筋を舐る舌技のあと、蟻の門渡りを舐め上げる舌技を行い、どちらのことか聞いてくる。
もう、我慢が出来なかった。
「ああ、糞!!どっちも良いに決まってるだろ!そろそろ俺にもお前を気持ち良くさせろよ!」
バルサの顔を股で挟んでひっくりかえり、その顔を支点にして、己の股をバルサの上に、
自身の顔をバルサの女陰になる位置に回転して、女陰への攻めを開始する。
柔らかな縮れた茂みを掻き分け、女の泉を覗き込むと、
すでにその部分は密やかな水面になっていた。
ペチ、じゅ、ジュルルル  べちゃ、くちゃくちょくちょ。
乾いた旅人がやっと出会った泉の水を貪るかのように、女の泉に湧く蜜を貪るが、それは貪れば貪るほどに溢れだした。
「ひあああ!!あ、う、い、いいよぅ!」
バルサの嬌声はタンダの心の快感を深く刺激した。もっともっと俺を感じて欲しい。
「バルサ、バルサ!! 好き、好きなんだ!愛してる!」


夢はいつも唐突だ。
もっとバルサを感じたい、感じて欲しい、と思った瞬間、御互いの股間に顔を埋める姿勢から
御互いに向き合う姿勢に変わっている、それは女陰を貫くのに最も適した姿勢。
すぐさまに蜜が滴る泉に身を沈めたかった。しかし・・・、
タンダはバルサを抱きしめ、耳たぶを唇で愛撫しながらつぶやく。
「すき、だよ、バル、サ。」
自分の想いを示したい。荒んだバルサの心、その癒しになりたい。
俺の想いをわかって欲しい。荒々しさではなく・・・、タンダは一呼吸ごとに伸びる植物の芽のように
少女の泉をゆっくりと貫いた。

バルサはその行為に、もどかしげにもだえる。
(バルサはまるで、炎の様だ。)
俺は、猛る炎を鎮める男になれるだろうか。
(それにしても不思議だな。夢かそうでないか確かめるためには、頬をつねって痛みが無ければ夢だというのに
痛みは感じなくても、こんなに快感は感じる。)
夢の体の猛りを抑えるためなのか、妙に冷静な呪術師見習いのタンダの意識が己の嬌態を俯瞰している。
猛りつつも、醒めた視線、それを持てる稀有さ、それは呪術者としての真の適正・・・、少年はまだ気が付かない。

「う!ああ、おうう!」
静かな侵攻は、しかし、男の剣が女の鞘に収まるまでで終わった。体の奥底から沸き起こる津波のような高い波に呑まれ、
男女の腰は本能のままに激しく動く。
(もっともっと、バルサを知りたい。)
今日まで、こんなバルサは知らなかった。
今まで知らなかったバルサ、深い泉の底に隠れているバルサ。
タンダはさらに女の奥に潜ろうとして深く、深く少女を貫いた。
「ああ、信じられない、こんな、深く、に・・・ぃ、いいぃ。あ・ひぃ、ひ!ぅあああああ!」
バルサの泉の中は、まるで別の生き物のごとく激しく蠢き、
タンダ自体を飲み込むかのように深く咥え込み、奥へ奥へと蠕動した。
すべてを引き連れて、遠き日の沈む宮へと誘う引き潮のごとく・・・。
そして、夢の海の中で、男女はどちらとも付かぬほどに溶け合う。
二人はまるで両頭の蛇の様に絡み合い、一体となった。
「う、うう、おう!だめだ。気、気を、お、抑えられないぃ。いくよ、イク!」
バルサの深奥を、男の熱い精気が襲った。
「あ、熱っああっ!!!!私、も、いっ、ク、ぁアーーーー!」

そして深い闇がおとずれた。


ビク!
身じろぎしてバルサは目が覚めた。
知らない天井だ、なぜこんな所に?・・・ああ、そうか。
用心棒として泊り込んでいる、酒場の女給の休憩室を借りて、眠っていたのだ、と思いだす。
まだ朝は遠い様だ。
はっきりとは覚えていないが、顔が赤らむような、夢を見ていた。
始めはいつもの悪夢で、その夢を見た後はいつも深く絶望した感覚があるのだが、
今日は、途中からとても気持ちが良かったと思った。
タンダを思うさま貪り、体を満たした、心も・・・。
夢で満たされているという感覚は、初めてのことだった。
「・・・!」寝返りを打とうと身じろぎすると、股間がぐっしょり濡れているのに気が付く。
(ああもう、お漏らしをする歳でもないのに。)
慌てて始末をするために起き出すと、それが愛液であることに気が付き、一人赤くなる。
(こりゃ、誰にも言えないね。)
バルサは物音を立てないよう、井戸に向かった。

ハ!
「やばい!」
タンダはガバッ!と飛び起き、寝巻きをはだけて下着を覗いた。
(ああ、やっぱり)
見事に夢精している。
我ながら、あきれるほどの量だ。
(こりゃ、布団に染みないうちにさっさと洗わなきゃ。
師匠がいない時に術を試して、よかったよ。)
普段はこんな事態になると情けなさしか感じないが、今日は股間の不快感をはるかに凌駕した
心地よさと虚脱が体を支配する。
(バルサに、俺が術師として貯めていた気を大分渡したんだろうな。)
それはそれで良い、きっと今、バルサは気の充実で満たされているだろう。
でも、と思う。
(もうこの術は使わないでおこう。)
人の心の剥き出し。夢の場であり、あの剥きだしの心だけが人のすべてではない、
遷ろう陽炎の様な物だとわかっている。
しかし、そんな夢の場で有るからこそ、勝手に触れるような事をしてはならない想いもある。
夢でバルサを抱き、その剥き出しの心に触れた。
・・・あれは自分から触れてのことじゃなかったが、やっぱりいけないことだったと、タンダは思った。
「と、さっさと洗わないと」
一人ごち、ため息をついて頭を掻きつつ、タンダは下着を洗いに土間に下りていった。




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