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うろほろぞ
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-3
湯上がりの彼女の体は程よく火照り、何ともいい香りが漂ってくる。
ベッドに腰掛けたバスローブ一枚のパラメディックの隣で、スネークは悶々としていた。
「その…スネークも入ってきたら」
パラメディックの言葉もうわの空に、スネークは彼女の肩に手をかけた。
そして顔を近づけると、彼女に軽く口付ける。
「いや。……いいか?」
「う、うん…私は…構わ…ない」



そう言ってスネークの顔を見上げると、じっと瞳を見つめられているのに気がつく。
「あっ…」
目を逸らせない。スネークの顔が徐々に近づいていく。
再び唇を重ねられると、今度は首筋に顔を埋められる。吐息を吹きかけられると、上半身から下半身へとぞくぞくと震えが走った。
「んん…っ」



スネークは背中に回した手で彼女の背をなぞり上げながら、首に何度も口付けする。それからゆっくりと彼女の
喉もと、鎖骨と、下を目指す。目の前にはバスローブ越しの、彼女の胸のくぼみが広がる。
一息ついて、少しずつ顔を沈めていくと、ふにっとした何とも柔らかな感触にみるみる包まれていく。彼女は少しだけ吐息を口



から漏らし、僅かに顎を逸らせてベッドに手をついた。



「…あっ……あん……」
手をついた事で出来たパラメディックの両脇の隙間から、スネークはすかさずもう片方の腕も彼女の体に回すと、その
細い体を優しく抱き寄せた。両の乳房がスネークの顔により深く、強く押し当てられ、徐々に彼女の口から溜息が漏れ始める。
「はあ…ん…っ………や……んっ…」



パラメディックの顎は先程よりも大きく逸らされ、顔は天井に向けられる。




彼女は押し倒されそうになる体を、ベッドについた手で支えた。指先はベッドシーツに皺をつくり、手に力が込もる。
彼女の胸の中は湯上りの香りと共に温かで、目の前に広がる雪のような白い肌が揺れる様子は煽情的で



あり、またその途方もなく柔らかな乳房の感触はスネークの欲情をより高みへと誘う。



…彼女の体を見たい。



「ああ…」
ゆっくりとバスローブに手を掛けると、彼女は紅く染めた表情をスネークに向けた。
静かに、肌蹴させる。
先ずは彼女の形の良い乳房が。次に臍が、そして、彼女の秘めたる部分がスネークの前に露になった。
胸は特出して大きな訳でもなく、何よりも綺麗な丘陵を描き、その頂点にはほのかに色づいた突起がちょこんと
位置していた。また、もともと細い彼女の体ではあるが、ウエストは更に細くくびれており、なだらかな体のラインを浮き
上がらせている。腰に手を回せば、簡単に彼女を捕まえられるだろう。



視点を下に移す。臍から少し下った所には髪の色と同じ薄い茂みが、更に下へいけば彼女の秘部が。
座ったままのパラメディックはスネークから視線を逸らさず、真っ直ぐに彼の目を見つめる。
そのまま軽く息をつくと、ベッドについていた手を伸ばし今度は彼女がスネークの服を脱がせ始めた。
上着を脱がせ、シャツを引き上げると、片方の手でベルトに手を掛け器用に脱がせていく。



スネークもまたパラメディックから視線を逸らす事無く、服を彼女に任せたままに彼女の頬に手を添える。そこ



から首筋へと指を這わせると、やがて乳房にたどり着いた。指を引くと、沈み込んだ部分が指の移動に合わせて、再び
元の形へと戻っていく。やがて頂点に辿り着くと、いたずらに突起を少し押しつぶしてみる。パラメディックは
その度に体をぴくっと動かすものの、手は止めなかった。



両手の平で脇腹を包み込む。実際に添えてみての様子は、彼女の体の細さを如実に物語っていた。擽ったそうに
体を捩じらせる彼女の仕草が堪らず、スネークの興奮を昂らせていく。そうしてようやく辿り着く、彼女の



茂みを軽く撫でる。徐々に下方へと掌を移動させ、彼女の股間を包み込む。





「…んっ」
条件反射のように彼女はきゅっと太腿を閉じた。その太腿の感触を堪能しながらも、掌に伝わる陰部の感



触もしっかりと感じ取る。割れ目に沿うようにじっくり時間をかけて動かすと、口を閉めた彼女の表情のなかに



恍惚感が浮かび上がる。
そのうちパラメディックの手伝いもあり、スネークは衣服を全て脱ぎ終える。
お互い生まれたままの姿になった所で、スネークとパラメディックは互いを見つめあった。



パラメディックはスネークの胸元につうっと指をなぞらえると、スネークも彼女の頬に手を当てて、その抵抗の無い
肌触りをじっくり感じ取る。
彼女の目がゆっくりと細められ、もう片方の手で頬にあてられた彼の指をつかまえる。
そうしてお互いに息を一つつくと、スネークはゆっくりと彼女の体をベッドに押し倒していった。



軽く、ベッドが軋む。
両手が頭の脇に置かれる。彼女は彼の姿を捉えたまま視線を逸らさず、脱力に努めて彼を待った。
スネークはその姿をひととおり眺め回すと、自分もゆっくりと彼女の体の上へ覆いかぶさる。
手を伸ばすと、パラメディックのその胸元へと狙いを定め、彼女の乳房を両手で包み込んだ。



「ふあっ…」
パラメディックの体が何か急激な温度変化を感じ取ったかのように、ぴくっと体を縮こませる。
スネークはまたそんな彼女の反応を堪能しながらも、彼女の柔らかな感触による快感を楽しんでいく。



包み込んだ両手で、円を描くようにゆっくり、極力やさしく胸への愛撫を開始する。
その上擦った感覚に、パラメディックは体の緊張がゆっくりと解れて目を静かに閉じると、口からは溜息にも似



た喘声を漏らしてしまう。



「あっ、ん……くふ…ぅ…ん……はあ……っ」




手の動きに合わせて彼女の乳房が形を変え、手を一瞬だけ離すとぷるん、と震えつつ元の形を取り戻す。
スネークのその屈強な体に似合わず、触れるか触れないかその境目程の力加減で行われる彼の優しい愛



撫は、彼女の表情をたちまち恍惚に変える。
手先から足先まで力が抜け、時折全身の神経がむずがゆさを走らせると、彼女は目を閉じて吐息と共に顔を左右させる。
「やっ、あ……んんっ…」
この感覚が堪らなく、ずっと続けて欲しいと彼女は思う。
やがてスネークの掌が、彼女の小さな突起を擦るように動き始める。彼女の全身に、甘い刺激が駆け巡った。
「はっ…!や、っ……うあっ」
彼女の反応を見ながら、スネークは掌に加えて指で弄んだり、押しつぶしてみたり、軽く摘んでみたりと趣向を凝らして愛撫を続けていく。
「あうっ…はっ……ふあ……」
…いい反応だな。
耳に心地よい彼女の声に、彼は続けた優しい愛撫の手を休め、パラメディックの背に手を回すと彼女の胸元



に顔を近づけ、直接唇で右の突起を吸い上げた。
先程までとは違い、力強く彼女を吸い上げる。肌を吸い上げる音が彼女の耳にも届くと、パラメディックは一



際高い嬌声をあげる。
「きゃうっ!あああっ……!」
全身に痺れに似た快感が残る。彼の唇を逸らそうと思わず体をベッドに沈み込ませるが、逃れられるわけも



無く、結果、体を横にずらそうとするも、スネークの回された手が体をがっちりと固定し、彼女の動きを止めていたのだ。動きようがない。
様子を伺い、もっと彼女を味わおうとスネークは意地悪に、彼女の突起を口内の舌で弄ぶ。口内にふくまれ



たその温かな快感に、彼女は必死で体を悶えさせる。
「や、あんっ!スネー……ク、…うぅぅっ…!?」
押し寄せる快感をどうにかしたかったパラメディックは、両手でスネークの頭を押さえ込む。気にも止めず顔を



胸に這いまわし、乳頭に止まらず乳房全体を隈なく味わいながら今度は左胸へと目標を変えて蠢く。
「く…ふうぅ……っ!いや、あっ、……はう……っ!」




上唇と下唇で左の突起を咥えると、軽く歯を立てる。彼女の背がベッドから浮いた。
「あうっ!」
と、可愛らしい声で声を漏らすパラメディックをもっと攻め立ててみたくなる。
一旦顔を胸元から引き上げると、軽く息を整えたのち三度彼女に覆いかぶさる。パラメディックはその隙に何



とか身構えを整えたかったものの、スネークが顔を離してから数秒も経たぬ内に愛撫を再開したものだからた



まらない。
たちまち彼女は喘いでしまうと、その艶色の帯びた彼女の仕草にスネークの興奮は一層昂りを見せ、
激しく彼女を求め出したのである。
「…ひ…あっ…!…んん…ああんっ……!?」
細く引き絞られたその瞳がうっすらと潤い、きつく抱きしめられた腰から上の上半身は、スネークの力強い腕力



によりベッドを離れ、宙で支えられていた。舌を強く押し当てられると、痺れにもにた感覚が彼女の自由を奪った。
背中が弓の如く撓(しな)り、力なく微かに動く脚は、シーツに深い皺を描き出す。



「あ……んん………」
スネークの顔が、漸く愛撫を抑える。掌はパラメディックの腹部に下ろされたままに、ゆっくりと体を起こしてベッドに
横たわる彼女の白く華奢な肢体を見下ろしていく。パラメディックは少し息の切れた呼吸で肩を僅かに上下させ
ながら、その表情は横を向き、快楽に犯された瞳を力なくまばたきさせていた。
「……ほお…」
その光景に暫らく見とれていると、スネークは思わず溜息を漏らしてしまう。視線を下半身に移していくと同時に、
静かに添えた手を下腹部へと這わせていった。弾力のある肌が指に合わせて沈み込むと、パラメディック



の体がぴくっ、ぴくっと小刻みに震える。
スネークの指先が彼女の茂みに触れた。撫で回して弄びながら彼女に覆いかぶさり軽く口付け、指は更に下



方を目指す。”そこ”に位置した秘部に指先が辿り着くと、焦る気持ちを抑えまずは陰唇を縁取った。何度も



焦らす様に指の腹を上下させると、彼女は切なそうに吐息を漏らす。




「…ん…」
彼女の唇が訴えかけるようにスネークの唇を甘噛みする。それを合図に、スネークはその陰唇の奥に指を侵入させた。
二本の指でくつろげると、綺麗に色づいたそこは微かに水気を帯び、スネークの侵入を待ちわびていたのである。
パラメディックは神経を研ぎ澄ませた。スネークの指先の動きを感じ取りながら、懸命にそのときを待ち構える。
呼吸を一瞬止める。スネークの指が、彼女の奥底にゆっくり浸かって行く。
喉を反らせた。甘い感触が彼女の秘肉を押し分け、全身に侵食を促す。
スネークは彼女の喉に唇を当てつつ、入り込んだ中指を更に内部へと埋めていく。根元辺りまで飲み込ませ



ると、関節を曲げて内部で静かに円を描いていく。悦びを感じ取れるように何度も、何度も。
「あっ」
スネークの優しい動きが何とも心地よい。脱力に努め、脚を少し開くと、後はスネークに身を任せるだけ。
少しずつ奥底で存在を大きくさせる、じわじわとした快感に歯の裏がもどかしく感じる。スネークの頭に手を回



したくて、両手が宙を彷徨う。様子を見て首を下げてくれたスネークの頬をつかまえると、自分の顔に彼を引



き寄せた。彼の匂いを吸い込むと、抱えるように押し付けていく。
…スネークの指の動きが変わる。
円運動から、前後に動くようになった彼の指は内部を擦り、角度を変えて下腹部を突き上げるように動き出



す。快楽が頭を擡(もた)げて、指の差し込まれた蜜壷からはじわりと、愛液が滲み出す。
彼の指に絡みつくと、よりスムーズな抽送がパラメディックを高みへと導いていく。指で突かれるたびに、彼女は肩を揺らしながら喘いだ。
「やっ、あっ、……ふっ…う…あんっ!」
更に反らされた彼女の喉元を舌でなぞり上げてやる。上擦った声を、悶える体を頭に焼き付けて、且つ侵攻



の手を休める事は無く、彼女の動きに合わせ徐々に勢いを増していった。
恥骨の辺りを指を曲げて刺激してやる。くるっと反転させると、今度は奥のほうへと指を伸ばした。与えられる



快感にたまらず、きゅうきゅうと指を締め付ける彼女の感触が堪らなく良い。
更に動きを早めると、穏やかだった彼女の濡れ方が急速に変化していった。




「ふあぅっ!んく……っあああっ!」
水音が徐々に激しさを増し、スネークの指を濡らす。構う事無く指の抽送を続けていくと、彼女は腰をくねらせて体を横に倒すものの、
スネークには大した抵抗でも無く、横を向いた彼女の後ろから首に舌を這わせながら、今度は後ろから彼女を悶えさせた。



はっ、はっ、と彼女の呼吸が荒さを増し、力の抜けた体はがくがくと揺れ動く。大分高まりを見せているようだと、
後ろからスネークは様子を伺っていた。それを機に、スネークは一旦指をゆっくり引き抜く。はあっ、とパラメディックが
一息つくと、スネークは光を受けててらてらと光る指をちらつかせながら、彼女から体をはなして距離をつくる。
何故途中で止められたのか、分からない様子のパラメディックを見つめたまま、今度は静かに体を彼女の下半身へと
移動させると、上半身を屈めていった。視界から消えたスネークの行方を追い、パラメディックは首を擡げて
自身の下半身を見やると、スネークの頭が見える。その頭はちょうど彼女の股間に位置していたのである。



「…やっ……うう…ん…」
その光景を目にしたパラメディックの体にぞくぞくと鳥肌が立つ。途端頭をベッドに落とすと、諦めたかのように虚ろな
表情で横を向いてしまう。
「…ねえ…そんなに見ないで」
頬を染めてつぶやくと、彼もまた静かに口を開く。
「…君は許してくれてるだろ?」
「違…………馬鹿っ」
表情を見られないようにばふっ、と枕に顔を埋めると、どぎまぎとしながらもスネークが動くのを待ちわびていた。
了承を得ると、スネークは彼女の太腿を持ち上げて、内側から舌を這わせて線を描きはじめる。
枕に押し付けられた目を閉じると、恍惚とした表情で震える息を吐き出す。
「あ……はあっ……」
そのまま内股へと舌を伸ばしていき、そこで止める。彼女の体と同軸に彼の顔が並ぶと、秘部に近づいていく。
そこから発せられる彼女の甘酸っぱい香りは鼻腔の奥深くを刺激する。大きく吸い込むと、彼女のそこに息を吹きかけた。
「んんん……っ!」




あからさまな動きこそ無いものの、陰部の動きだけは彼女も隠せなかった。ひくひくと蠢くそこを軽く舌で突く。
陰唇の周りに沿うように舐め上げ、愛液の滲む内部へと舌を潜り込ませていった。
「あ…駄目…っ」
溢れ出た愛液を啜り上げ、味わいつくす。蜜壷の入り口付近を一周すると指での愛撫同様に前後に動かし、ひたすらに舐め回す。



先程の昂りが未だ冷め遣らぬ彼女は、そのじわりとした舌の感触に気だるさを覚え、顔を左右に動かした。
「うあ…っ……く…う……っ」
たくたくと音を立てて彼女を攻めるその音が嫌でも彼女の耳に残り、自分はそこを舐められているのだと目を
閉じても意識してしまうと、恥辱と快楽が複雑に混じり、蜜壷からは更に溢れ出す愛液が止まらなかった。



「ね…え、…もう…」
途切れ途切れに言葉を紡ぐも、甘い痺れが頭の中を混濁させ、それが内心思っている事であるのか、それと
もそうではないのかすら彼女にはよくわからなくなってきている。舐め啜られる、そこにある彼の顔を見る事が出
来ないままでいる。
そうこうしている内、彼の舌が上方にある突起に興味を示し始めていた。舌先で軽く擦ると、今までには無い
凄まじい刺激が、表面から内部にかけて一気に彼女の体を襲ったのだ。



「あうっ!?」
執拗にそこを貪るスネークの舌は巧みに動き、口に含んだそれを下で弄びながら、思い切り吸い付き、渇えたように
うねりとなって容赦なく快感が襲い掛かる。
彼女は焦燥感に駆られた。意識は朦朧とし始め、ぐらりと景色が歪む。必死に抗おうと瞼に力を込めようと
するが、うまく力が入らない。裏返ったような声で叫んだ。
「ひゃうっ!やああっ!」




そんな反応をしてしまった事が逆に彼の悦びとなり、一層行為を助長させている事がその時にはわからなかっ
たのである。感覚に埋もれ、瞳に映る景色は涙でぼやけて。それでもなおスネークは彼女の臀部を掴むと、
パラメディックの股間を引き寄せて丹念に貪っていく。



「ううう……ん…くふ…う……」
首を振っても、もう声が出そうに無い。次々と押し寄せる感覚に崩れていきそうだった。
動きは愚鈍に近づき、力を振り絞ってみても、抗えるほどの蓄えは残っていなかったのである。
…抵抗する必要なんてないじゃない。このまま、上り詰めてしまえばどうなるか。
目を閉じて、彼の動きに体を揺さぶられる。
「あ……あ…」
飽く事無く続けられる愛撫の合間、パラメディックは漸くスネークの顔を見上げる事が出来た瞬間であった。



自分の視界を意識する事が始めてのように感じる。何て事も無いごく自然にこなして来た仕草が、頭の中から
ぽっかりと抜け落ちたように、彼女は目を凝らした。
ふと気がつくと、スネークの顔が目の前にあった。
辺りは暗がりで、サイドテーブルのライトが自分達を映し出しているのが伺える。
彼は心配そうに自分の顔を眺めている。体は密着し、息はまだ戻っておらず、心音が弾む。
「…大丈夫か?」
意識を失っていた訳では無さそうだ。どうやら少しの間、呆けていたらしい。
「…あ…うん」
間を置いて、自分の体が正常である事を確認するように言葉を発した。別段おかしな所は無いようだ。



彼女は視線を移すと、スネークの手の行き先を追う。
右手をパラメディックの左手に落とすと、指を絡ませる。パラメディックからも指を組み合わせると、関節をなぞり、
指を折り曲げたりさせ彼に応えた。




視線は合わせたまま、数秒が過ぎていく。その数秒は本当に”数秒”であったかどうかはわからないが、彼女の
表面に流れる時間は刻々とし、その僅かな時間がとても長い間であるとパラメディックに錯覚を植え付けた。
「…スネーク…私…」
「…ああ」
一言漏らすスネークの寡黙ぶりが、”長い間”を経て落ち着きを見せたパラメディックの口元に笑みを作り上げた。



手には、煮詰まった興奮を受けて激しく膨張した彼の陰茎が包まれ、スネークは間をおいた今まさに彼女の
股間の割れ目に沿うよう、陰茎を擦り合わせてきている。



「んう…」
彼の陰茎に愛液が丁寧に塗され、これから始まるであろう抽送の準備が整う。秘部を擦る陰茎は一度形を
曲げ、彼女から離れると同時にぴん、とバネの様に跳ねる。まるで生きているかのような陰茎の動きは卑猥
なものではあったが、その光景と甘い刺激が彼女に与えたものは決してそんなものではなかった。
彼女は、スネークの首に手を回した。
徐々に体勢を沈ませていくと、スネークは狙いを定めて挿入を試みる。ずっ、ずっ、と彼女の体に進入すると
、彼女のそこは指同様に陰茎をきつく締め付けた。ただでさえ膨張していた彼の陰茎はその外部からの力と
パラメディックの内部の感覚にさらに高められる。口元を締めなおし、スネークは彼女の内部深くに辿り着い。
「ふ…う……っ」
辿り着いたスネークはその感触を楽しみながら、ゆっくりと内部で蠢く。隅から隅まで探索すると、居心地が
良い住処であるようにしなやかな己を揺らす。
深い深いそこから、ゆっくりと這い出した赤子の様に二人はベッドの中心にどっぷりと浸かり、誰にも知られる
事の無い行為に没頭する。
…もっと、奥まで。
身を捩じらせ、抽送を開始する。耳元で聞こえる彼女の喘声が堪らない。頬に縋り、唇の後を残していく。
時に優しく、時に力強く。一定のリズムをもって腰を彼女の肌に打ち付けた。
乾いた音に混じる抽送の液音。合わせてベッドが軋むと、パラメディックは腰を落とし、力いっぱい彼を抱きしめた。




「あっ、ふあっ、うっ……や…はあっ!」



快楽が津波の様に襲い掛かってくる。彼女はスネークの腕の中で幸せを感じていた。
積極的に自分を求めるスネークの腕の中で、彼女は震える。まだ十分に乾ききっていない髪の毛が乱れ、
頬にへばり付くが、そんなものは気にならない。
体を突かれるたび、その陰部から走る快感が徐々に彼女の思考を犯していく。支配されていく、その感覚だけはそのままに。
「きゃ、ああん!ひぁうっ…あっ、ああっ!」
「ふっ…」
湯上りの自分の熱と覆いかぶさった彼の熱が合わさり、汗が二人の全身に広がっていく。度々の口付けで口
元には唾液が零れ、彼の荒々しい息が吹きかけられる。
自分を押さえつける彼のごつごつした手が、筋骨隆々とした無駄の無いその体が自分を貫く。
そんな彼の男としての逞しさが、彼女の背筋をぞくぞくと震わせ止まらなかった。
彼のスピードが落ちる。ゆっくりと彼女の片脚を持ち上げると、自分の肩に乗せる。体を横に倒してその体勢
のまま再び彼女を求めていく。



愛液で溢れたその音がより鮮明に飛び込んでくる。彼女は枕を握り締めて歯を食いしばった。
「うう…!く…っ…ふ……!ううーっ!」



ここからの眺めであると、彼女の体が隈なく見て取れた。動きに合わせ、乳房がぷるん、ぷるんと揺れる。
何とも官能的な眺めにスネークは欲望を益々募らせ、ひたすらに彼女を突き続けた。更に乳房に手を伸ばし、
揉みしだく。
彼女が握った枕がくしゃっと形を変えていった。




彼に触れられるたびに走る、体が溶けてしまうような感触。脊髄から全身に鳥肌が立つような感覚。
パラメディックの喉が鳴る。閉じた瞼の裏に光る白さが、その勢いを増していく。



…ああ、



辺りは静かだったが、鼓膜では無く、頭の中で様々な音を感じ取れたような気がする。
自分の吐息、早鐘となって打ち続ける心臓の鼓動音、自身の股間にあてがわれたスネーク自身が潤いを得る音、
スネークの、息遣い。



…スネーク、



再び彼の体が正面に向き直り、そしてお互いの体を抱きしめる。唇に触れる彼の感触。絶頂が近い。
胸の中の心臓をわし掴みにされたような切ない感情がこみ上げて、瞳からは雫が浮かび、口はしきりに彼の名を呼び続けた。



…スネーク。



「パラ…メディック…!」
「あ…う……あっ、ふあああああっ!」
双方の瞼に閃光が走る。何も無い。そこに存在するのは二人だけ。
そこはとても静かで、自身混沌に陥ったかと思うほどに全ての柵(しがらみ)から解き放たれ、きれいになった互
いをいつまでも見つめていた。



もう、離れなれない。いつまでもこうしていたい。
彼女は彼の腕の中で最後に身を震わせた。彼に愛されて、彼を愛して、どこか温かさに包まれて。彼の名をつぶやいた。



「…スネーク…」
呼吸で揺れる肩を落ち着かせながら、スネークはパラメディックに穏やかに微笑んだ。



424




サイドテーブルに置いてあった時計がけたましく鳴り響く。
カーテンの隙間からは朝日が差し込み、静かな風の音が部屋に流れ込んだ。
差し込んだ光は、床に脱ぎ捨てられた服を橙に染め、木目に沿うように線を這わせる。
その横の皺になったベッドの上で、二人は身を摺り寄せて眠っていた。



スネークの目が開く。すぐ目の前の彼女の可愛らしい寝顔を暫らく見つめ、サイドテーブルの時計に手を伸ばした。
手探りで色々と試行錯誤するが、どうもアラームの止め方がわからない。
横から、手が伸びた。彼女の細い手がスネークの上を通って、時計の後部のスイッチを切る。
「お早う」
彼女は枕に肘をついて、スネークに微笑みかけていた。



「…君がいて助かったな」
パラメディックはくすくすと笑う。スネークもまた綻んだ顔で、彼女に口付けする。



「…お早う」




───身を寄せ合う。



部屋に、呟くような二人の会話が響く。



そしてお互い沈黙すると、息を吸い込み再び唇を重ねた。
いつまでも続けば良いと願い、そんな想いもまた二人を引き寄せた証拠なのだと。

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