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「おーここに居たか」
快賊団の船に戻ったジョニーは、甲板に一人居るエイプリルに口を開いた。
「あっ、ジョニーおかえりー!!収穫あった?」
手元の海図(といっても空の上なのだが)から目を離しエイプリルは元気に問う。
一方ジョニーは数歩歩いて首を軽く傾げた。
どうやらまあまあの収穫だった様だ。
少し間が空いた所でエイプリルは黙っているジョニーに話しかけた。
「どうしたの?そんな所に突っ立ったままで」
海図を型どおりに畳みながらジョニーの顔を覗き込む。
サングラスを弄りながら、珍しく言いにくそうにしてる。
だがそんなことは見せない様ないつもの軽い口調でジョニーは言った。
「なぁーエイプリル。おまえさん、明日ちょいとメイと町で買い物してきてくれないか?」
エイプリルは少し目を見開いたが、何かに気が付いたらしくあっさりと切り返す。
「だーめ。ジョニーがいってあげなよ」
「そうか」寸秒の間。
「……って、おーいおい…」
爽やかで突き抜けるような空の下には薄い雲の海が広がっている。
青い青い空の下で髪を手で押さえるエイプリルに、ジョニーは苦虫を噛み潰した顔で改めて口を開いた。
「エーイプリルーぅー…なんなんだー?、いきなりわがままっ子になってー…」
何も言わない相手に、ははぁん、と顎に手を当て笑いながらジョニーは続ける。
「最近留守ばっかだったから拗ねちまったかー?しょーがないねー。けど、俺の愛は平等(女性に限る)なのよ?」
エイプリルは肩を竦めた。
其れから少し口を尖らせて溜息混じりに呟く。
「あのねー…、明日っつったらメイの誕生日(正確には拾われた日)じゃない」
「そうそう。だから明日は二人で思う存分…」
あー、と頭を抱えて解っているのか居ないのか解らないジョニーを見た。
「だーかーらー!!それだから言ってんの!!」
メイとエイプリルはクルーの中でも仲がいい。
故にエイプリルはメイの執心ぶりを良く知っているわけで…。
「エイプリル」
ジョニーの真面目な言い方でハッとする。
帽子とサングラスで表情が見えない。
「良いか。さっきもいったよーに、俺の愛は平等(女性に限る)だ」
ジョニーは空を見た。
同じくエイプリルもつられて空を見る。
「俺たち快賊団はこの広ーい青空の下でなーんの不幸もなくやってきてる」
エイプリルは心の中でそっと、多少の経済問題はあるかな、と思いつつもそのまま口を出さなかった。
「だがね、俺たちが上から見てる、雨雲の下では苦しい思いをしているレィディーもたーくさん居るわけだ」
ジョニーはびしっと青空を指差しながらエイプリルの肩に手を置いた。
「そういうレィディー達に手を差し延べ、このビューティフルな青空の元に招くのも俺の使命なのだ。わかっておくれ」
「ジョニー…」
わかってくれたか、という顔でエイプリルを見る。
「メイの誕生日は、年に一回しかないんだよ?」
勿論皆も同じ事だ。
「お願いだから明日はジョニーが行ってあげて」
真剣なエイプリルの顔を見、ジョニーは笑いながら溜息を吐いた。
「ま、ウチの可愛ーいお嬢さんが真面目に頼むんじゃあーしょうがないな」







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