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jm
「お譲ちゃん、親は如何したんだい?」
少女は下げていた瞳を上げ、潤みを掌で擦る。
其処には黒い帽子、コート、サングラスに長い金髪という男が膝をおって彼女の前に居た。
言葉は出てこなかった。
出せないのではない。
日本という、軟禁状態の国から辛うじて両親と出てきた矢先に少女は一人になった。
目の前で両親はギアに殺された。
其処に颯爽と現れたのがこの男だったのだ。
首を二度大きく振る。
口を開き懸命に何かを言おうとしているが言葉は発声されなかった。
どうして欲しいかも、どうなっているのかも何も言うことが出来なかった。
いうことが出来ないほど少女には恐ろしかった。
そして只泣いた。
男は優しく少女の頭を撫で、男の船らしき所につれてこられた。
状況もよく解らないまま少女はダイニングに連れてこられて暖かいココアを出された。
少し呑む。
そして少女は号泣した。

それ以来少女は尊敬以上の感情を男に向けるようになっていた。
船に居るのは皆似た境遇の少女達だった。
故に彼女達はすぐ打ち解けた。
少女の感情を笑いながらも、皆応援してくれる。
少女が此処に来たのは五月五日のことであった。





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