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うろほろぞ
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『目的物奪取!全員引き上げ!』

ジョニーの声が通信機を通して響いた。
しかし、ボクは出口とは逆方向に向かって走り続ける。
前を走って行く人物を追って。





ボク達ジェリーフィッシュ快賊団は今日も善行に励んでいた。
悪徳領主から莫大な財産を根こそぎ奪うこと、これが今回の目的だった。
メイシップのクルーは敵の撹乱が仕事だった。
そして、ボクも奪取を行う本体から離れてその仕事を行っていた。
なるべく本体から敵を引き離そうとしたのが幸運だったのか。
ボクを追いかけていた奴に、ここの領主がいたのが幸運だったのか。
時間稼ぎをするため、たまたま物陰に隠れたのが幸運だったのか。
聞いてしまったのだ、呟きを。

「・・・・クソッ!快賊団め!忌々しい・・・。・・・私の富が、減ってしまうではないか・・・。しかし、隠し部屋の金庫には気付くまい・・・。」
そう言って、その金庫が気になったのか、その場を足早に去っていく。

正直、ボクは悩んだ。
ボクはその隠し部屋金庫の話をジョニーから聞いていない。
・・・ジョニーにそんな手落ちがあるとも思えない。
・・・・それでも。
もし、この男の話が本当で。
隠し部屋があって。
金庫があって・・・。
そして、ボクがそれを1人で盗ることが出来たら。
ジョニーは、ボクのことを認めてくれるだろうか?
そんな打算が働いてしまった。
意を決して男を追いかける。





『全員撤退!』

ジョニーの声は響き続ける。
団長の命令に、ジョニーの仕事中の命令に逆らうのは多分今回が初めて、だと思う。
走りながらマイクを口元に持っていき、通信した。

「ジョニー。」
『どうした?メイ。』

大好きなジョニーの声。
認めて欲しい、ただそれだけ。

「ボク、まだする事があるから。先に行っちゃってて。」
『・・・だーめ。早く戻ってこい。』

承諾がとれるとは思っていない。
だから。

「スベテが終わったらまた連絡するよ。じゃ!」
『ちょっとま・・・。』

何かを言いかけてるジョニーを無視して、電源をオフにする。
目標は前を走る男のみ!
待っててね、ジョニー!





細い道をくねくねと曲がる。
階段を下り、どんどん地下へと潜っていく。
・・・・なんか、本当に隠し部屋っぽくなってくる雰囲気。
頭の中でこれからの情景が浮かぶ。



『ジョニーが気付かなかった物、見つけたよ!』
『悪いな、メイ。まさかそんなところにもあったとはなあ。』
『すごいっしょ。だからジョニー、もうボクのこと子供扱いしちゃ、駄目だからね?』
『分かった分かった。』



・・・・。

(・・・あれ?何かやっぱり子供扱いされてる?)

そんな自分の想像に、頭を悩ませる、が。
考えていてもしょうがない。
今の行動が、何かを変えてくれることを祈って・・・・。
ジョニーに、少しでも女の人、として意識して欲しい。
ボクがジョニーを好きな気持ちの何分の一で良いから。
・・・・ジョニー・・・。


そうこうしているうちに、男はつきあたりの壁を動かしてその内側へと消えていった。
どうやら其処が隠し部屋らしい。
ボクは碇を構えて軽く深呼吸をした。
そして、これからの行動計画をざっと立てる。
中に入ったらまず、領主をぶちのめして、金庫を破壊。
それが駄目なら、男に開けさせる。
それでも駄目なら・・・意地でも金庫ごと持って帰る!
まとまったところで、碇を持ち直し壁に手をあてた。
これも、愛のため、彼のため。

(ジョニー、頑張るからね・・・。)
壁は音もなく静かに動いた。

「いるかさん!」
更に用心のためいるかさんを召還して中に入った。

しかし。
待っていたのは残酷な真実で。

「きゃああ!?」

部屋に入った瞬間に目の前に広がる気体。
(って、これ、しびれ薬じゃん!!)

色、匂いからそのモノの正体は分かるものの既に気体は大量に肺の中へと取り込まれていく。
立っていられなくなって片膝をつく。

ゴトリ

手から落ちた碇が地面とぶつかって音を立てた。
集中力が途切れ、召還が無効になる。

(じょにー・・・。なーんかヤバそうな罠に引っかかっちゃったみたいだよ・・・。)

通信機の電源を切ってしまったことに今更ながら悔やむ。
いや、たとえ電源が入っていたとしてもジョニーの助けは借りる気はしなかったが。
自分で招いたことだから。
頭をフル回転させてこの状況を打破する方法を考える、が。

(何も浮かばないよ~ジョニー・・・。)

その時、正面から男の声。
「ようこそ、お嬢さん。こうも簡単に引っかかってくれるとは、思いもしませんでしたよ。」

同時に回りに1人・・・2人・・・10人?くらいの人の気配。
完璧に囲まれた。

(・・・誘い込まれちゃってた、てワケか・・。やっちゃったーv。)

ジョニーの調べはやはり正しかったのだ。
・・・別に疑っていたわけではないが、欲を出してしまったコトに後悔する。
男は話し続ける。

「あなた方快賊団が来たときに、盗られることを阻止することは不可能、と判断いたしました。しかし、貴女を見たときに取り返す方法を思いついたのですよ?ねえ、ジェリーフィッシュ快賊団ジョニーの娘さん?」

カチャ

銃弾をセットする音が、やけに響く。
しかし。

(なんで、ボクがジョニーの娘なワケ?!ぜんっぜん違うよ!!ボクはジョニーの恋人候補だってばー!)
抗議したいがしびれて口が上手く回らない。

「さすがのあのジョニーとはいえ、自分の娘を盾に取られたら言うことは聞くでしょう?」

大いなる誤解をしたまま話は続く。
誤解とはいえ、優しいジョニーのことだ。
簡単に相手の言うことを聞いてしまうだろう。

(・・・・このまま足手まといでなんか、いらんないよね。)

とりあえずは、この薬の効果が切れるタイミングをはからなければ。
動きさえすれば簡単に今ならのすことが出来るだろう。
試しに指先を動かしてみる。
微かだが、動く。

(よし!いける・・・!)
落としたい碇を持とうとして。

(!!)

背中に激痛が走り、視界が歪む。
更に受け身をとれずに顔から地面に叩きつけられる感触。

コン・・コンコン

通信機が外れ床に転がる音。
顔面からは冷たい床の感触。
動かせない身体。

「まったく・・・。流石娘さん、油断も隙も無いですね・・・。」
背中の方から、声。

(ああ~、バレて蹴っ飛ばされちゃったんだ・・・。やばいなあ・・・。)

そのまま首元を捕まれ持ち上げられる。
息が、出来ない。
「・・・・・・っ!」

その時男は転がった通信機に気付いた。

「・・・おや、通信機ですか。これで連絡を取れるのですね・・・。貴女にも聞こえるように外部スピーカーに通してあげますよ・・・。」

僕を壁に向かってほおりなげ男は落ちた通信機を拾い操作を始める。

ガッ

壁に頭を強打する音。
朦朧とする意識の中。

『あー、こちらジェリーフィッシュ快賊団本部、だ。』

スピーカーからジョニーの声が聞こえだした。




(ジョニー・・・。)

今こんなところで倒れている自分が情けなくって。
馬鹿みたいで・・・・。
ジョニーに迷惑かかっちゃったな・・・。
嫌われちゃうの、かな。
そう思ったら知らずうちに、涙があふれてくる。
泣いている場合じゃないのに。
何とかしなくちゃいけないのに・・・。

「ジェリーフィッシュ快賊団の、ジョニー、ですね?」
男はゆっくりとスピーカーに向かって話し始めた。

『呼ばれざるお客が応答をしているようだな?確かに俺がジョニーだが。何かようでもあるのかな?』

いつもの調子の声が響く。
それが無性に悲しかった。

「君の所の娘さんをこちらで預かっているのだが?」
『娘?俺に娘はいないなあ。』
「・・・・赤い快賊団の衣装を身に纏っている子なのだが。気のせいならこちらで処分するが?良いのかな?」

ジョニーの返事が、怖い。
そんなことないって思ってるけど・・・。

(処分して良い、なんて言わないよね?)

『あーあ。うちの姫さんのことか。なかなか手がつけられんだろう。だが、損害手当は出ないぜ?』

(・・・・何か、ひどい事言われてる気がするんだけど・・・・。)

相手もジョニーの態度に苛ついてきたのか、不機嫌な様子を隠さず話を進める。

「・・・・取引、といこうじゃないか。私達はこの娘を返す、君は私達から奪った物をそうだな・・・、10倍にして返す、というのは。」
『ずいぶんとぼってるねえ。欲の出しすぎは身を滅ぼすぜ。』
「・・・受けてくれるね?それでは24時間時間を与えよう。それまでに金を用意してくれ。」

取引が、まとまった。

(ごめん・・・ジョニー。)

再び涙が流れ出る。
しかし、その時スピーカーから思わぬ言葉が流れた。

『24時間後?それは無理なんだなあ。』
「・・・娘がどうなっても良いと?」

「いーや?」

そのジョニーの声はスピーカーからは聞こえてこなかった。
そして


ドガッ 


何かがぶつかる音


ガラガラガラ


正面の壁の壊れる音。
その渦中にいたのは



「もう迎えにきてしまったんでね。」



日本刀を構え、黒い服を身に纏ったジョニー。

「なっ!」

男達が驚いている間に、ジョニーは周りの約10人をなぎ倒す。
悲鳴を上げる間もないまま倒れていく彼ら。

「メイ、生きてるかー?」

(大丈夫だよ~!)
痛む身体に鞭をうって僕は何度も頷いた。

その様子を見てジョニーは満足そうに微笑むと、ボクの方へと歩み寄ってきた。
その時。

「じょにいいいいいいい!!」

狂ったような目を向けて。
残った男-領主がボクの方に向かって銃を突きつけてきた。

「動くなああああ!お前は金を持ってくりゃあ良いんだよおお!」

ジョニーはそれを一瞥する。
白銀の軌跡。
その瞬間。


「うぐああああああ!」


男の銃のトリガーを握っていた方の手首から下が床に落ちた。
手首を押さえてうずくまる男に日本刀を構えながら近づくと。




「そういうデンジャラスな行動は。」




Jの字を書くように相手を切り裂いて。




「寿命を、縮めるだけだぜ?」




刀を鞘にしまうと同時に相手が切り裂かれたところから起爆し、倒れ込んだ。

「まったく・・・。たてるか?メイ。」
ジョニーが壁に寄りかかっている状態の僕に向かって、手をさしのべた。

「う・・・うん。」

まだ多少のしびれと、激突のダメージから体を動かすのは辛かったが。
ボクはその手を取って立ち上がった。

「戻ってこいと言ったろ?」

優しく咎めるジョニー。
その優しさに、また、涙が流れた。

「だってー。ジョニーに、ジョニーに認めて欲しかったんだもん~!」

そのままジョニーのコートに顔をうずめて泣き続けた。
そんなボクの頭を撫で続けてくれる大きい手。
・・・ボクは、何時になったらジョニーに女の人、として見てもらえるようになるんだろうか?

「・・・メイ。俺はちゃんとお前さんのことを認めているんだがな?」
ジョニーが苦笑し、そう答える。

(違うの!)

顔を上げて、ジョニーをしっかりと見上げて。
「ボクはこんなにジョニーが好きなのにい!ジョニーは何時も子供扱いして、ボクはジョニーのなんなのさ!」

今、一番聞きたい答。
お父さんじゃなく。
お兄さんじゃなく。
ボクを1人の人として扱って欲しいから。
ジョニーは膝をついてボクと目線が合う高さになる。
手は、今だ頭の上に乗っけたままで。

「メイ。今はまだ保護者、じゃ駄目なのか?」
「駄目。」

言い切ったボクの答えにやっぱり笑っているジョニー。
いつでもこの余裕な態度を崩さない。

「お前さんがもう少し大きくなったらな。」




それでも。




「充分大きいもん!」
「・・・じゃあ、あと3年。3年たったら・・・。」




その余裕を、いつか崩してみたい。




「なんで今じゃ駄目なのさっ!」




ボクのことで、余裕が無くなるジョニーを見たい。




「・・・秘密♪」
「ジョニー!」

やっぱり笑っているだけなジョニー。
この人の考えがスベテ分かる日は来るのかな?

「ほら、もう帰るぞ。」

そう言って、ボクをおんぶする。
背中が暖かい。
でも。

「・・・・お姫様だっこがいい・・・。」
もっとジョニーの顔を見ていたいから。

「我が儘な姫さんだ。」
笑ってボクを前に抱え直す。

その隙をついて、ボクはジョニーの頬に自分の唇を押しつけた。
しっかりと瞳をぶつけて、言う。

「諦めないんだからあ!」





いつか・・・・きっと。






はい。というわけで真面目に書いてみたジョニメイです、が。ひどい出来だ・・(泣)ジョニーの口調がわからんは、話はすすまんは、書きたかった場面は文章力がおっついてないは・・・。抗議メール、とか貰っちゃいそうだな・・・。しかし、なんでジョニメイの話ってネット上であんまり見かけないんでしょう?沢山あれば、書こう、なんて思わなかったかもしれないのに(泣)。













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