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mmd
How to pass of significant holiday





 スネークイーター作戦がどういう意図で行われたか、どういう裏が
あったかという事などはスネークには関係はなく、確実に任務は遂行
された。
 シャゴホッドの破壊、ザ・ボスの暗殺、そして『賢者達の遺産』…
残念ながらソコロフを連れ帰る事は出来なかったが、ソ連側の要求は
満たし、その代償と言って余りある程の物を持ち帰った。本来の任務
よりもその方が評価されているに違いない。真実を知ってしまったス
ネークにはそう思えて仕方なかった。人の命の方が『遺産』よりも軽
く扱われている。が、自分がその事で評価されている事は今の立場に
いる以上は甘んじて受け入れるしか無い。

 そうして、無事に任務を終え帰国したスネークに久しぶりの休暇が
与えられた。軍に籍を置いてから今までになく長期の休暇だった。
 だが、何気ない日常の時間は戦う以外の道を知らないスネークには
ただ退屈なだけの時間だったが、そんな時間がずっと続けばいいと思
う気持ちと、いつその時間に終わりを告げる事が出来るのかとこころ
のどこかで戦いを望む気持ちとで微かに揺れていた。

 そんなある日。突然にドアのチャイムが鳴った。スネークには家を
尋ねてくるような知り合いもいない。
「セールスだったらお断りだぞ!」
叫びながら、セールスなら追い返してやろうと意気込んで勢い良くド
アを開けるとそこにはパラメディックが立っていた。
「パラメディック!?」
 突然の、しかも予想外の来客に驚いたのと、さっきまでの意気込み
を引っ込められずに裏返った声で声を張り上げた。スネークの締まり
の無い声と姿にパラメディックは笑いを堪えている。
「どう?休暇、楽しんでる?」
 手を口に充てながらまださっきの笑いが余韻を残している様だ。だ
が、その質問の答えは当のパラメディックにも分かり切っている。
「そういう風に見えるか?」
 スネークはそう言いながら苦笑いで頭を掻いている。特にやつれて
いる訳でもないが、その雰囲気はどう見ても余暇を楽しんでいる様に
は見えない。
「み、見えないわね…」
 分かり切った質問をしてしまった事に少し後悔をしながら、今度は
少々引きつった笑いでその気まずさを誤魔化している。そんな気まず
い雰囲気を察したスネークは親指を立てて部屋の方を指す。
「こんな所で立ち話もなんだ。折角だし、何か…」
「ええ、お邪魔するわ。こんな所じゃ出来ない話もしたいし」
「その話ってのが気になるな」
「まあまあ。続きは中に入ってからという事で」
 パラメディックはスネークの背中を押して、部屋に無理矢理上がり
込んだ。

 パラメディックを部屋に迎え入れる。女性をこの部屋に上げた事な
どないが見られて困る物などはもちろんない。
「部屋が散らかってるのは我慢してくれ。なんせ、君が来るなんて思
いも寄らなかったしな。連絡の一つでも寄越してくれれば、片付けて
おいたんだが…」
「突然訪ねて驚かせてやろうと思っていたんだもの。でも、そんなに
散らかってる風でもないようだけどね」
 得意げに笑う。その様子にしてやられた顔のスネーク。
「今、君に出せるものと言えば、コーヒー位だが…」
「もちろん飲ませてくれるんでしょ?」
 スネークは彼女の有無を言わせない態度に頭が上がらない。それは
作戦中からそうで、基地に帰還した後、彼女のメディカルチェックを
受けているときもそうだった。

「分かった。ちょっと待っててくれ」
 そう言い残したスネークが席を立った後、一人残されたパラメディ
ックは部屋をぐるりと見渡す。想像していたより整理はされていた。
いや、整理するしない以前の問題で、必要最低限の家財道具しか部屋
には置かれていない。男の一人暮らしとは言え、少々寂し過ぎる。
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