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甘い一日2



高度一万キロあたり。
船の甲板で、あー、平和だ。
・・・なんて思っていたのは一人の少女によってかき消された。

「ねぇねぇ、ジョニー」
「んー、何だい?」

少女はにっこりと、ジョニーのもとに歩み寄ってきた。
ただし、後ろ手に。
ちらりとそれを確認すると、ジョニーは早くこの場を立ち去りたい衝動に駆られた。
前回も同じような状況でひどい目に合っている。

「はい、これ!」

差し出されたものは、可愛らしく凝ったラッピングが施されていた。
前よりは成長の兆しが見えるが、如何せん中身までは分からない。

「・・これは、何かな?」
「クッキーだよ。
 最近ジョニーが疲れているみたいだから、甘いものがいいかなーって。
 リープさんに教わって作ったの。」

彼女に教わったなら少しはマシだとも思うが、自分の身を優先したい。
だが、どうしたもんか。
ここで受け取らなければすぐに拗ねて山田さんを出すだろう。

やれやれ。


「ね! 早く食べてみて!」

「しょーがないな」
(だいじょぶかな、俺の腹・・・)
そして、ラッピングを解いてクッキーがどんなものか知った。
前に比べて異臭がしないのは上達したと思う。
星の形をしていたり、丸かったりするのも上達したと思う。
だが、色が紫と緑だった。
これはさつまいもとほうれん草でも入っているのか?
いや、そうだと信じたい。
だが仮に入っていても、正直、食べたくない。


「これの材料は何だ?」

「ふふふ、秘密v」

怖っ!!!

「リープさんも驚いてたんだ。きっと僕のが凄く上手く出来たからだよね。」

それは反対の場合も考えておくべきなんじゃないだろうか。

「どれどれ・・・。」

食べるふりをして、隠すってどうだろうか。
思いついたが、その案はすぐに却下された。
メイが近くに居過ぎる。
俺の手元をじっと見ているから。
妙なところで鋭いからすぐにばれるだろう。

持ったまま固まっていられる時間のリミットも迫ってきた。
さぁ、どうする?




俺の体の無事は諦めるか。





ぱくり。






・・・・・・・。





「辛っ!!!」

突然、俺が大声を出したのでメイはちょっとびっくりしていた。


「メーイ、このクッキーはどうして辛いんだい?」

「え、だってジョニー甘いもの苦手でしょ。
 だから甘さ控えめにしようとして唐辛子を入れてみたのv」


「・・・・・・。」

「まだまだあるから、一杯食べてねv」

そういって、どこから出したのかタッパーに詰められたクッキーを俺に手渡す。

「・・・。」



(もう勘弁してくれ・・・)
ジョニーは眩暈を覚えた。






END



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