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「アバさん。クッキー焼けるんですか?」
フラスコに遊びに来たのはメイとディズィー。最近対戦したスレイヤーが「興味があるなら行きたまえ。彼女の焼くクッキーはなかなかだった」と言ったからだ。
「ボクもたまにやってるんだよねー。なかなか上手くいかなくてー」
メイの焼くクッキーは、形は普通なのだが味は何故か不味いのだ。
逆に、ディズィーのクッキーは、ディズィーの見ていない隙にネクロがイタズラをし、火を吹くほど辛くしてしまうのだ(ネクロからすれば、ディズィーに馴々しくするなと言いたいが故の行為である)
アバは、しばらく黙っていた。


「…つまり、私の焼くクッキー食べたいの…?」
二人が目を輝かせて頷くので、アバは厨房に向かった。

部屋にはパラケルスと二人が残されていた。
メイとディズィーが、どんなクッキーかと楽しそうに話しているのを聞いて、パラケルスはため息をついた。
「二人とも。あまり期待しないで今のうちに帰った方が良い」
パラケルスの突然の言葉にメイが反論した。
「な、何!?せっかくアバさんが作ってくれてるのに失敬な事言うなぁ。鍵斧君」
「Σ我はフラメント・ナーゲルだ!!…じゃなくて、悪い事は言わん。すぐ帰るんだ」


ディズィーも反論した。
「何故ですか?メイさんの言う通り、アバさんが作ってくれてるのに…」
パラケルスはまたため息をついた。
「…何故スレイヤーが、アバのクッキーを高く評価したと思うのだ?」
意味が解らず、二人とも顔を見合わせた時。
「…出来たよ」
可愛らしい皿に、きれいな形のクッキーが置かれていた。アルファベットの「A・B・O・AB」の形をしている。形は申し分ないが、何故かそのクッキーは真っ赤なのだ。
「いただきまーす」
二人はそれを手に取り頬張った。パラケルスの止める間もなく飲み込んでしまった。


「…ケホッ!!なんか変わった味だね」
メイが咳き込みながら呟く傍ら、美味しそうにクッキーを食べるディズィー。
「そうですか?凄く美味しいですよ?」
メイはたまらず何を入れたのかアバに質問した。
「えぇと、小麦粉と水と……それから…」
言われていく材料は、普通のモノばかりだ。しかし……
「最後に、私の輸血パック四個分の血……」

……………え?

………今…何て?
血液入りクッキー!!??

(だから言ったのに…)
パラケルスは、喚くメイを哀れと見つめながら、三度目のため息をついた。
END


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