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きゃあ!?」
「メイ!!」

メイがイノに吹き飛ばされ、木にぶつかる。
その物音にジョニーが登場し、メイをかばう形でイノと対峙した。

「あら…騎士のご登場?いつになっても…ガキなんだな、テメェは」
「レディーには…あまり見せたくは無いんだが、アンタはちょっと例外だ。少しどいててもらおうか」
「ふんっ。それが遺言か!」
「ま、話が分かる相手とは思ってないけどねぇ…」

メイを後ろに庇いながらもイノと対峙する。
イノは不敵に笑った。
理由は分かる。
相手は何でもし放題。その一方自分のほうは怪我人を庇いながら闘わなければならない。
自分の身を危惧して避ければ、後ろに当たってしまう。
かといってメイを抱えながら闘うのは困難を極めた。

「そこで二人とも一緒にへばってな!!」
「それはどうかねぇ…来な」
「アタシに指図すんじゃねぇよ!!」

赤い楽師が宙を飛び襲い掛かってくる。
そこを剣で押さえつけるジョニー。
相手はまだ本気も出していないだろう。この者としては軽い力だ。
ふん…と力を込めれば相手は後ろに飛びのく。

「女相手に刃物振り回して闘うってのか!?笑えるねぇ!」
「おまいさんは…例外、と言った筈だ」
「面白くねぇ…まとめてとっちめてやる!!」
「そうはさせない!」

相手の帽子が変化する。
それは相手の力を込めた一発一発が大きい技。
避ける事も出来るが、それでは後ろに…まだ意識も戻ってないようだ。
横目でメイの状態を確認し、そして緑色のフィールドを張った。

「くっ…」

やはり一撃一撃が重い。
しかし負けるわけにはいかない。
衝撃が終わった後にすぐに反撃に出る。

「はっ!」
「そんなもん効かねぇよ!」
「何…!?」

スピード重視の技を放てば相手は上空に居て。
出す事だけに重視したその技が戻るまでには時間がかかる。
ほんの一瞬の隙。
そこに容赦ない先ほどと同様の技が襲い掛かる。

「うっ!」

だが吹き飛ぶわけにはいかない。後ろにはメイが…!
全ての攻撃を自らの体で受け止める。
しかし弱い所を晒してしまっていた。
全ての攻撃を食らい終わったジョニーは膝をついた。

「へっ…そんなにそのジャパニーズが大事ってのか?」
「ああ…俺の、大切な…家族だからな」
「家族ぅ?そのガキがか?」
「ガキ…じゃない、クルーの…一員だ」
「ふんっ。うざったらしい。さっさとおっ死にな」
「うぐっ!」

容赦ないイノの追撃に遂に倒れる。
だがまだ意識はあるようだ。体が震えている。

「さて…そろそろトドメを…」

その時、メイは意識を戻した。

(あれ…さっきの女の人…それにジョニー…?)
「どうやって刺そうかねぇ。その獲物とかどうだ?」
「例え…俺が死んでも…メイは守る…」
(死ぬ…ジョニーが…?)
「はっ!口だけは達者だな。遺言はそれだけか?」
「…ぐっ」
(ジョニー…ジョニー…!?)
「アタシはそういうのが嫌いなんだよ!…ほら、テメェの獲物だ。最後ぐらいいい思いをさせてやるさ…テメェの獲物でな!!」
(ジョニー…ジョニーが死んじゃう!!)

ジョニーは目を瞑った。
もうこの目が開けられることも無いだろう。
そして…姫を守れなかった自分を悔やみながらあの世へと連れて行かれるのだろう。
所詮自分は…それだけだったのだ…

「う、うわぁぁぁ!!」
「な、何!?」
「ジョニーを…傷つけるなぁぁぁ!!」
「ま、まさか覚醒…きゃぁぁぁ!!」

だがその剣は自分に刺さる事が無かった。
そしてゆっくりと目を開ければ心配そうに見つめるメイが居た。

「ジョニー…ジョニー!」
「ああ…おまいさんが助けてくれたのか…」
「死んじゃ嫌!ジョニーが死ぬだなんて僕許さない!」
「大丈夫だ、メイ。歩けるぐらいは…出来るさ」
「本当!?本当!?」
「ああ…と、どうするかねぇ」
「ジョニー…」
「どうかしたか?」
「ごめんね…皆、皆僕のせいだ…」
「何を言ってる。一度もおまいさんが原因だった事は無いじゃないか」
「だって、だって!!」
「悪いのは…あの女だろ?おまいさんはおまいさんで居てくれればいい。元気なおまいさんが俺は好きだけどな…」
「え…う、うん」
「お…っとっと」

メイがジョニーに強く抱きつく。
そんなメイにジョニーは頭をなでてやる。

「怖かった…僕、ジョニーが死んじゃうのが…嫌だった」
「俺も…おまいさんが死ぬのは…死んでも死に切れないねぇ…」
「ジョニー…あのね…」
「なんだ?俺に告白とか…する気かい?」
「え?」

突然の言葉にビックリするメイ。
どうして分かったのだろうか?
そんなメイを強く抱きしめるジョニー。

「おまいさん…いや、メイ…どうやら愛しているのはおまいさんだけのようだ」
「じょ、ジョニー!?」
「俺の…ピンチを救ってくれた。これじゃどっちが騎士か分からないな」
「ぼ、僕も…僕もジョニーの事が…っ!」
「ああ、分かってるさ…」

愛している。
その言葉は迎えに来たエンジンの音でかき消された。
でも二人はお互いに伝えたい事を伝えられた。
仲間が来て、恥ずかしそうに走り去っていくメイ。
そんなメイに仲間達は疑問に感じ、しかしジョニーだけは微笑みをずっと浮かべていた。
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