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サニーは成長し、火を使うことを許されキッチンに入ることを許されるようになった。
今年こそあの約束を果たすときがきたと、丁寧に丁寧に、おいしくできますようにと願いを込めながらチョコを作り上げた。
大作に似合うようにと綺麗にラッピングされた緑色の箱を大事に持ち、サニーはセルバンテスの執務室を訪ねた。
「おやサニーちゃん、私になにか用かな?」
「セルバンテスのおじさま、サニーにGR2を貸して欲しいのです」

同じころ、国際警察機構の北京支部ではぼんやりとロボを見ている大作に銀鈴が声をかけていた。
「大作くん」
「あ、銀鈴さん」
銀鈴は笑いながら大作に小さな箱を差し出す。
「チョコよ。今日はバレンタインでしょ」
大作は手を出しかけたが、幼いころの約束を思い出し手を引っ込めた。
「ごめんなさい…ボク、受け取れません…」
そうして銀鈴にサニーとのことを話した。
銀鈴はやはり微笑んであっさりと引き下がった。
「本当に、すみません」
何度も頭を下げる大作をその場に残し、銀鈴が立ち去る。
そこへタイミングよく鉄牛がやってきた。
「お、銀鈴、それなんだ?」
「チョコよ。大作くんにふられたの」
大作にふられたというのも気に入らないが、鉄牛としてはそのチョコの行方も気になる。
「な、なあ、そのチョコな…」
「そうねえ、長官か呉先生にあげるわ」
ふたりの姿が消えてから、ロボがなにかに反応し顔を上げた。
「ロボ、どうしたんだ?」
問いかけた大作はロボの視線の先を見る。そこには
「BF団のロボットだ!」
しかし大作がロボに命令しようとするより先、懐かしい声が聞こえてきた。
「大作くーん!」

夕陽の照り返しがまぶしい丘の上に並んで座り、サニーは自分が一生懸命作ったチョコを大作に差し出した。
「約束どおり、サニーの初めてのチョコよ」
箱を受け取りながら大作は少し照れくさそうに微笑む。
「ボクも…初めてもらうチョコだ」
大作は丁寧に包装を解き、まあるいチョコのひとつをサニーに渡し、自分も口に放り込んだ。
そんなふたりをGR2の上からながめていたセルバンテスが苦笑する。
「やれやれ。アルベルトが知ったらどんな顔をするかな」

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