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冒険航空会社モンタナ(モンタナ・ジョーンズ)同人小説
「 故宮の東・西太后の財宝を追え! 」
第10章  西太后の財宝

 カンテラは、小さな石組を闇の中から浮かび上がらせていた。壁面は僅かに弧を描いており、手前側にふくらんでいる。
 最初は、次の扉とも考えたが、3人は考えを改めた。抜け道に入る前、これとよく似たものを目の当たりにしている事を思い出す。
「井戸、かもしれないね」
「この向こうがな」
 モンタナは、先程と全く同じように、石組の一番下、床に接している下の一列を丁寧に手で触れてみた。
 一つ一つ探るうちに、前の井戸と同様、六連の石を発見する。
「ちょっと下がってろよ」
 床に跪くと、モンタナは再び石の端と端に手を当て、石を押してみた。
 やはり固定されてはいない。石は動いて、石組の向こうへと消えた。
 途端に、今まで以上の勢いで風が吹き下ろしてくる。それも、トンネルに入ってから望むべくもなかった新鮮な空気の味がする。
「外に出たんだ!」
 石の壁が手前に一度スライドし、ゆっくりと上ってゆく。アルフレッドのみならず、チャンとモンタナもまた満足そうに見上げていた。
 口を開いてゆく隙間に、モンタナはカンテラの明りを近付ける。
 壁の向こうに、石で囲んだ小部屋程の空間が見えた。四角い空間ではない。風で落ちてきたのか、落ち葉も幾つか舞っている。
「ゴール間近ってとこだな」
 モンタナは井戸の中に用心深く足を踏み入れてみた。
 筒状になったそこは、先程の井戸よりもかなり浅く掘られていた。見上げた時の空の見え方が、実に広く感じられる。
 その分、壁面からくる圧迫感がかなり弱い。
 アルフレッドとチャンが、それぞれ自分の鞄を抱きしめ息をつく。これ以上の冒険は望まないと、その全身から滲み出てくるものがあった。
 二人は、なかなかよく似ている。
 リュックを下ろすとモンタナは、ロープの付いた三つ股の鍵の手を取り出し、井戸の上に向かって投げた。一度は失敗したものの、二度目には、モンタナの手に張りのある手応えが返ってくる。
「先に行くぞ」と、モンタナはロープを手繰り井戸を昇り始めた。腰に力を入れ、ロープを引きつける手と足の踏ん張りで垂直の井戸へ果敢に挑む。
 井戸の一番上の石に手を伸ばし、モンタナは井戸から脱出をした。
 まず周りを確かめ、人のいない事を下に知らせる。そして、チャン、アルフレッドの順番に、井戸から引き摺り上げてやった。
 アルフレッドとチャンは、慣れない全身運動で、すっかり呼吸が荒くなっている。井戸に寄りかかってしゃがみ込み、なかなか言葉を発さなかった。
 一足早く、モンタナは周りの様子を観察し、その並々ならぬ施設の様子に、低く口笛を吹く。
 井戸は、赤い塀で囲まれたその一角にあった。塀の上には瓦葺きが施され、赤く塗られた塀にも緑と黄色の飾りが豪奢に花を添えている。
 モンタナは思い出した。故宮の正門、南の午門にこれと同じ朱が塗られていた事を。この塀は外壁よりも低いが、豪華さに於いて遥かに勝っている。
 そして。
 流石のモンタナも、息を飲んだ。
 自分の後ろから、大きな屋根を冠とした木造の建物がモンタナを見下ろしている。
 大きな屋根には瓦が整然と並べられており、美しいがその大きさから何やら言い知れぬ威圧感を受けた。軽々しい好奇心が萎んでしまいそうな程、それは豪華というより荘厳と呼ぶべき威厳をたたえている。
 最初、モンタナは東洋の寺かと思った。が、もしここが故宮なら、寺というのもおかしい気がする。
 白い石を積んだその上に建つ建物は、朱塗りの柱に支えられており、東洋的な美しさで、モンタナを強く魅きつけていた。
 全容見たさに、カンテラを翳す。が、手元の明りだけでは、少々心もとない。
 侵入者の持つ小さなカンテラなど、その建物は大きさ一つで一蹴していた。わかっていた事であるのに、モンタナは自分のした行為をつい失笑してしまう。
 人の手になる照明で、この建物の全貌を暴く事などできるのであろうか。
 否。モンタナには、わかっていた。
 この建物の屋根を灯し、その姿を一望する事ができるのものは、おそらくこの世にただ一つ。天上より人の有りようを見下ろしている、かの太陽だけなのである、と。
 人は、建物の威風でその権威を表すのを好むという。この建物がそれをも目的としているのなら、効果は絶大だったろうと、モンタナは息を詰めた。
 建物の纏っている暗闇に、自然と身を固くする。
 明りがなければ自分の手元さえ定かではない、夜の闇。この闇が自分達の味方であると信じていたのだが、建物は夜の侵入者に警告を発していた。
 夜だからこそ、分をわきまえ近付かぬようにと。
 望まれていない、秘密を暴こうとしている者である事を、モンタナは思い知らされた。罪悪感と好奇心が、脳の真ん中でせめぎあう。
 井戸に近付き、チャンにわかるよう建物を指さす。
「チャンさん、あの建物は?」
「え・・・と」
 すっかり呼吸の整ったチャンが、井戸から離れ目を丸くする。吸い寄せられるように建物に近付くと、肩を震わせ、振り返った。
「こ、ここです! 養心殿は、この建物です!」
「何だって!?」
 ロック・クライミングに辟易としていたアルフレッドが、機嫌を直して立ち上がる。
「やっぱり!」
 勢い建物に近付こうとしたが、闇の赤黒く浮かび上がる木造の建物に、上機嫌も何処へやら、足元が突然躊躇する。
「モ、モンタナぁ・・・」
 指さす先は、養心殿の二つある入り口の一つ。開けて下さいと、その渋面には書いてあった。
「しょうがねェなぁ・・・」
 カンテラを頭上に翳し、モンタナは戸を開ける。がたついて力が要ったが、鍵がないので問題はなかった。
「随分と不用心なんだな」
「展示品を持ち出す際、多少の混乱があったのでしょう」
 後ろから、チャンがやって来た。
「持ち出したって・・・、何で?」
 モンタナの問いに、チャンが沈痛な面持ちで顔を上げる。
「・・・実は今、この故宮は極一部しか公開されていません。略奪を恐れ、博物館に収臓していた品々を、この北京から運び出したという噂を聞いた事があります」
「革命と戦争がいっぺんに起きてるって、あれか」
「はい。噂が本当なら、ここには現在何もない筈です。多少荒れているのも、その所為なのだと思うのですが・・・」
 モンタナはチャンの目をじっと見つめ、「そうか」と、呟いた。
「お宝っていうのは、博物館でもおネンネしてらんねェんだな」
「はい…」
「んなら、ここにある西太后の財宝も、今のままじゃ危ねェって事か・・・。馬鹿は、ゼロ卿だけじゃねェんだな」
「そうだよ、モンタナ!」
 憤りも露に、怯えていた筈のアルフレッドが拳を握る。
「考古学的遺産は、本来その国の人達の財産なんだ! 他の国に持ち出していいもんじゃない。ましてや、個人の収集品になるなんて、最低の末路だよ!」
 アルフレッドの話は、暗にゼロ卿を指していた。モンタナは、両手を下に向け雰囲気を鎮める仕種をする。
「ギルト博士は、きっとここまでお見通しだったんだろう。・・・アルフレッド、これが俺達の本当の任務かもしれねェな」
「西太后の財宝を守れ・・・、まさにその通りだね」
 熱く語り合う2人の影を、カンテラの明りが養心殿の床に長く落とす。チャンは、そんな2人の横に無言で立っていた。
 カンテラが動き出す。養心殿の中はチャンが先導し、黄金で飾られた部屋を3人が抜けていく。カンテラの明りが揺れ、黄金は部屋を灯す明りのように輝いた。
 しかし、室内が豪華な割には家具や道具の類いはほとんど見られない。チャンの言う通り、ここから運び出されたという形跡も伺えた。
 きらびやかな黄金に目を奪われてしまいそうだが、がらんとした室内だけに、何か白けたものを感じてしまう。
「ここが東暖閣です」
 チャンの足が止まった。
 養心殿に入った時、最初に目を引いた黄金の部屋よりも、殺風景な印象があった。それもその筈、御他聞に漏れず調度品の類いがほとんど持ち去られているらしい。
 あるのは、床に敷かれた大きな絨毯と、部屋の一部を仕切っている黄色い簾のみである。
 部屋そのものも、黄金の部屋よりも小さかった。そこかしこに、それは見事な透かし彫りがあるものの、今はかつて人が使っていたという面影など失われている。
「ここが、あの絵の場所だってェのか!? すっかり何もなくなっちまってるじゃねェか!」
 国情を察しつつも、モンタナは3人分の本音を吐いた。博物館側に出し抜かれたのが自分達のようで、やり場にない憤りをつい感じてしまう。
「ここまでないとなると、もしや西太后の財宝も・・・」
 チャンも気弱に立ち尽くす。長旅のゴールが引越し後では、彼のやりきれなさも尋常ではないのであろう。
「まさか! きっと、西太后の財宝は隠し場所に今も残っている筈です」
「しかし、アルフレッド先生・・・」
 言葉を詰まらせるチャンへ、アルフレッドは自信ありげに首を横へと振った。
「そうそう、チャンさん」
 モンタナも、いつもの陽気さで人指し指を立てた。
「これだけ物がなくなりゃあ、どかしながら探す手間が省けたってもんでしょ」
「はぁ・・・」
 チャンは、尚も釈然としない様子で溜め息をつく。
 気弱になった学者を励ましながら、モンタナは簾を捲りその向こうを覗き込んだ。振り返って叫ぶ。
「おーい、アルフレッド。簾に隠れて椅子があったぞ!」
「えっ!」
 アルフレッドとチャンが、黄色い簾を巻き上げてモンタナと同じものをそこに見出だした。
「西太后の使っていた室座でしょう。大きいので、この場に残したのかもしれません」
 チャンの言葉に相槌はない。アルフレッドは、全く別の事を考えていた。
「ここで西太后は、臣下を相手に垂簾聴政を行っていたんだ・・・」
 チャンの肩を叩き、モンタナは首を振る。気持ちがわかるのか、チャンも表情でそれに応えた。
 アルフレッドは、すっかり陶酔している。中国は清の時代に、今、彼は推理と想像の翼で羽ばたいているのであろう。
 アルフレッドとチャンには、主のいない室座に西太后の姿を重ね合わせる事ができた。
 19世紀に生き、アメリカやヨーロッパ諸国と戦争を行いながら、妥協し、封建制度の晩年を支えた清の女傑。
 ここには、今も微かに彼女の温もりが残っているような気さえしていた。
 この室座もまた、西太后の生き様を知る歴史の証人として、2人の学者に当時の様子を語り聴かせている。
 モンタナはこの場を譲りながらも、何処か冷めた目で室座を眺めていた。
 まだ最後の仕上げが残っている。そして、明日の朝には、ゼロ卿と一戦やり合わなければならないからである。
 メリッサは、今どうしているのだろうか。食事はちゃんと取らせてもらっているのか。
 モンタナの心は二つに別れ、一つはここにあると思われる財宝に、そしてもう一つは念壇にいるニトロ博士の曲芸メカ・パンダへと思いを馳せていた。
「そろそろ、いいか・・・」
 モンタナは室座を少し動かし、その下にある床を丹念に調べてみた。
 隙間らしいものが、床よりも暗い色で一本の線を引く。
「あったぞ」の一言に、つい力が入った。
 2人の学者は、色めきたつ。
「何処、何処?」
「ここ」
 床の一部、ちょうど室座の足が踏んでいた所を、モンタナはすとっと指さした。
「ここを開ける為の仕掛けが、また何処かにあると思うんだが・・・」
「探してみましょうか」
 アルフレッドが、熱まだ冷めやらぬ様子でチャンを促した。
「はい」
 アルフレッドが左手の壁を、チャンが右手の壁を、それぞれ手応えを頼りに指を走らせ探りを入れる。
 室座の周辺には、透かし彫りの壁飾りがコの字型にあしらわれている。チャンの注意が、そこへと注がれた。
 ゆっくりと彫り物を嘗めてゆく細い指が、途中で止まる。幾つもある月のような模様の一つを、チャンがくるりと撫でた。
「やっぱり・・・。モンタナさん! アルフレッド先生!」
 チャンが2人を呼んだ。
「ここを見て下さい」
 模様の真ん中をチャンが指で押し上げる。すると、模様の透かし彫りはぽろりと外れ、チャンの掌に落ちた。
 その下から、カンテラの光を受けて輝くものが現れる。
「青い宝石・・・サファイアだ!」
「こりゃ、おったまげた・・・」
 眼鏡をかけるアルフレッドの隣で、モンタナは顎に手をやる。
「・・・まだ、ありますね」
 チャンがもう一つ、月の模様を取り外した。今度は、壁に穿たれた模様大の穴が顔を覗かせる。
 二度目ともなると、チャンも躊躇しなかった。鞄から出した龍の短剣を、宝石の方に龍の頭が向くよう差し込んだ。
「行きます・・・」
「OK」
 モンタナは、カンテラを引き寄せ次の動作に備える。いよいよだという機運に、むずむずと走る高揚感を体全体で感じていた。
 隣にいるアルフレッドもまた、息をしていないかのように身じろきもしない。
 ボストンから始まった、今回の宝探し。念壇で過ごした謎解きの興奮、そしてゼロ卿との不愉快な駆け引き、更には北京までの馬車移動。井戸の秘密を知るまでの苦労も、地下での冒険も、みなこの一瞬の為だけにあったと言ってもいい。
 毎回、相当の無理と苦労を重ねているが、この時を迎えると、たまった疲れは何処かへ霧散してしまう。
 手に汗の湿り気を覚えた。口の中が乾くのも、この一瞬ならではの傾向であろう。
 チャンの手元に合わせ、床が少し、また少しと四角い口を開き始めた。
 モンタナは、上からカンテラを翳す。
 一段低い床が様々な色に輝き、一瞬ではあるが、辺りが虹色に満たされた。
「すっげーっ!!」
「これだよ!!」
 床に四つん這いになった2人は、息を飲む。
 光の主は、二つの首飾りであった。カンテラの光を浴び、それらは自分自身で光を発しているかのように3人の目を襲う。
 誰しも、指先が小刻みに震えた。目頭から、胸の奥から、言葉にならない熱いものがどっと込み上げてくる。
 チャンの目には、うっすらと光るものがあった。モンタナやアルフレッドと同じものを共有しているのか、それとも彼なりのもので心を満たしているのかは知る由もない。
 チャンがいつまで経っても動かないので、モンタナとアルフレッドが、首飾りをそっと持ち上げ、現代の空気の中に晒してやった。
 モンタナの手にしている首飾りは、ダイヤとサファイヤ、ルビーなどが、豪華にあしらわれ、中央の大きなダイヤを華麗に引き立てている。明らかにヨーロッパで作られたとわかるデザインをしており、故宮から発見されたというと違和感を覚える品物であった。
 一方、アルフレッドの持つ首飾りは、金を金具の他に飾りとしても用い、その上に真珠とルビーが散りばめられていた。個々の細工は東洋的であるのに対し、デザインは隣にあった首飾りと大変よく似ていた。
 少々、不思議な取合わせである。
「モンタナの持っている首飾りは・・・、本当にヨーロッパからやって来たものなんだ」
 アルフレッドが、熱弁を奮った。
「明の時代、フランスからヨーロッパの品が沢山入ってきているんだよ。これは、その時のものかもしれない。或いは、西太后自身に贈られた品物なのかも。・・・きっと、西太后は、それをこよなく愛していたんだ」
「それなら、その首飾りは?」
 モンタナは、アルフレッドの持つ首飾りを指摘する。そして、宝石で自分の掌が埋まる程の首飾りをそっとチャンに手渡した。
 震える両手で、チャンがそれを受取る。
「東洋的であり、西洋的でもある・・・。チャンさん・・・」
 アルフレッドが問いかけたが、チャンもまた首を横に振った。
「私にも心当たりは全く・・・」
 カンテラを持ち、モンタナは立ち上がった。
「ま、新しい謎ってとこじゃないのか。そろそろ動き出そうぜ。・・・アルフレッド、今、何時だ?」
 手元の時計を見、アルフレッドの顔色が変わった。
「どうしよう! もう夜中の3時を過ぎてる! 早いとこ念壇に戻らないと、メリッサが・・・!」
「そういう事った。さ、アルフレッドもチャンさんも、急いだ。名残惜しいが、こことも一旦おさらばだ」
 チャンが二つの首飾りをアルフレッドに託し、アルフレッドはそれを空になっている自分の鞄へと大切にしまった。
 仕掛けを元の状態に戻し、室座をその上にしつらえる。
 東暖閣を名残惜しげに振り返るチャンを促し、モンタナはアルフレッドと共に養心殿の井戸に降りた。
 抜け道を急ぎ通ったものの、夜明け前では北京を発つ馬車など拾える筈もない。
 朝方、北京で野菜を売る農家の男性に頼み込み、北京から南に少しばかり運んでもらう。しかしその後には運に恵まれず、3人は5回も馬車を乗り継ぐ羽目に陥った。
 日は東の空を南に向かって転がってゆく。
「これじゃあ、大遅刻だよ!」
「仕方ねェだろ!」
 モンタナは、アルフレッドと何度目かの同じ会話にうんざりしていた。
「俺だって急ぎてェのは同じなんだ。これ以上は早くならねェんだから、我慢するっきゃねェだろ!」
「でも、ゼロ卿の機嫌はきっと最悪だよ。これじゃあ、上手くいくものもいかなくなっちゃうかも・・・」
 アルフレッドが、馬車に揺れながらモンタナが考えた作戦に不安を唱える。
「お前がもし、この馬車に翼をつけてくれたら、俺が何とかしてやるって」
 モンタナは、苛々と帽子を被り直した。
「・・・そんな言い方をしなくったって・・・」
「ここは辛抱だよ、アルレッド君」
 モンタナは、ギルト博士の口真似をする。焦っても状況が変わるものではないのだから、仕方がない。
「どうせ、この首飾りを少しでもちらつかせてやりゃあ、オッサンの機嫌も直るだろうよ。問題は、その後だ。楽しくなって、一体何をやらかすか・・・」
「ち、ちょっと、モンタナぁ・・・」
 ジョークにならない脅し文句に、アルフレッドが悪寒を覚えた。
「ま、俺に任せてくれ」
 怯えきったアルフレッドと無言のチャンを横目に、モンタナは朝の風を全身で楽しんでいる。
 空腹感が、段々と麻痺してゆく。3人がようやくケティに戻る事ができたのは、昼少し前であった。

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