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うろほろぞ
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「ジョニーさんっ!? 戻っていらしたんですか?」
タラップを上がると、驚いた表情をしたディズィーが出迎えた。
「ああ、予定が変わってな。 こっちは変わりはないか?」
「ええ、ありませんけれど… 随分と雨に降られたのですね、今、タオルを…」
辺りを見回したディズィーがタオルを見付けたと同時に、早速とメイが駆け寄って来た。
「ジョニー、おかえりっ! …うわわっ、ずぶ濡れじゃない、風邪引いちゃうよっ!」
身を翻したメイは椅子の背もたれに掛けられているタオルを掴み、ダッシュで戻って来る。 役目を失って立ち尽くしているディズィーに俺は軽く苦笑してみせた。 ディズィーも少しだけ肩を竦めて微笑った。
「はいっ、ジョニー、タオル!」
「ありがとさんよ」
メイから受け取ったタオルで水滴を払う。
「どうしたの? 今日は帰って来れないとか言ってたのに。 もしかして、作戦変更?」
「そういうこった」
「ええ~~っ!? あとは詰めるだけだって言ってたのにぃ? …でも、ジョニーだもん、ミスなんてするはずないし…」
心のままに豊かな表情を見せるメイにひとつ笑い掛ける。
「メ~イ、いいから艇を出す指揮を取ってくれ。 この国を出る」
メイは途端にあどけない表情を潜ませ、真剣な眼差しで頷いた。 メイは俺の声の調子に聡い。
「分かった。        ディズィー、索敵のモニター見ててもらえる? 怪しい影が映らないか見てくれるだけでいいから。 オクティを起こしたくないんだ」
この国の気候が合わないのか、オクティは少し体調を崩していた。 メイはそんなオクティを気遣っている。
「はい、それなら私にも出来ます」
「うん、お願い。 何かあったらすぐに教えて。 エイプリル! 舵、スタンバって!」
エイプリルが小走りに舵に向かうのを確認しながらメイは艇内通信のスイッチを入れた。
「ノーベル、予定変更で艇を出すよ! エンジン上げて、機関のチェックをお願い。 それからスタンバイ、ボクの指示を待って」
メイはキビキビと指令を出し、最後に俺に顔を向けた。
「ジョニー、準備が出来次第、すぐに浮上でいい?」
「それでいい、上げたら安全な高度を保ったまま北西へ向かってくれ」
「北西だね。 了解」
「頼むな、メイ」
「アイ・サー」
ピンとしたメイの立ち姿にひとつ微笑を送って、俺はブリッジを後にする。
メイならこの艇を立派に引き継ぐだろう。 だが、俺はそれを望んじゃいない。 メイには、いずれはこの艇を降りて、良い男と本当の恋をして、普通の結婚をして家庭を持ち、そうして幸せに暮らして欲しい。
メイはイイ女になるさ、赤いドレスは似合わなくても、本当にイイ女にな。 俺が育ててるんだからな。

直に艇はこの国の領空を出る。 次期大統領候補の妻が死んだんだ、警察が五月蝿くなる前にこの国を出るに越したことはない。
しばらくはこの国での仕事は様子見だな。 計画の練り直しが必要だ。

高度を上げた飛行艇の窓から見下ろせば、夜の闇に浮かぶ雨雲が見える。
地上からは見えなかった月はいつものように天に輝いている。

月に似ていると言っていたのはアクセルの野郎だ。

俺がサングラスをするようになったのは何時頃からだったかな。
何故サングラスをするようになったか、そんな理由は忘れちまった。
…多分な。
こうして部屋で独りで居る時は、昔と同じでサングラスなどしていない。
鏡を見れば昔と違う面が映る。 かなりイイ男だとは思うぜ。 当然だな、実際、俺様はイイ男だ。
ガキの頃の面影が残っているのかどうかは、俺には判らねぇ。 生憎と、その辺を指摘してくれるはずの奴はもうこの世にいないんでな。

気に入りのバーボンをグラスに注ぐ。
こんな夜はストレートがいい。
酒を憶えたのは早かったな、見つかっては親父に叱られたもんさ。

親父が死んだのは俺が13 歳の時だった。
俺は他人に心を開くことのないガキで、そんな俺に唯一愛情を注いでくれたのが親父だった。
可愛げのない俺の、どこが良かったのかは知らないが… 無償の愛ってヤツだ。
この歳になって思うが、親って奴はつくづく凄いもんだぜ。
親父を失って、俺はますます自分の殻に閉じ篭った。
いつしか物事を見る眼が出来て、戦争で親を亡くしたのは俺だけじゃないと、そんな当たり前のことに気付いた。
ようやく他人の痛みを知ることが出来るようになって、俺は親父のようになろうと思った。 俺に愛を注いでくれた親父のような男に。
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目も覚めるような青白い月の中、買い出し帰りの夜道を歩く。
古い石畳が敷かれた路地に、二人の足音だけが響く。
こんな時間になる予定じゃなかったのに。

必要なモノは、すぐに揃った。でも、久しぶりに船を下りたんだから、遊ばなくっちゃねv
あっちの店やらこっちの店やらひやかして歩いてたら、いつの間にかこんな時間…
こんなに夜の気配が深まって。あんなに高く月が出て。

隣の同行者の方を見ると、ボクと同じ”しまった”って顔をして、帰り道を急いでる。
今日一日、ボクと一緒に街へ出て、はしゃいでたヒト。

あ~あ、どうせ夜道を歩くんだったら、ジョニーと二人きりがよかったのにっ。
それなのに、ジョニーは忙しいって。
じゃあ、一人で行くっていったら、それもダメ。
”ベィビィの一人歩きは、危険だぜ?”だって!!
完全に子供扱いなんだからっ!
それで、この”保護者”がついてきたんだけど…
この保護者、いっつもヘラヘラしてて、てんで頼りないんだから。
こんな、片田舎の町外れ、街灯だってほとんどないところで、何か出てきたらどーすんのよ!
…別に、コワイってわけじゃないよ?
ただ、何があるかわかんないじゃないっ?!
ちょっと、心細いかなって…
こんな、月明かりだけが頼りの夜に。
今日の保護者…アクセルは、ここへ来て、ずっと黙ったまんま。
ま、昼間にあれだけ騒げば疲れるよね。昼間のアクセルはしゃべり詰めしゃべりっぱなし。
ちょっと黙ってれば、イイ男なのにね。
今は、この、月明かりで照らされた風景を楽しむように歩いてる。



静かな夜。
二人分の靴音しかしない。
心細い夜道。
月光凍る青い夜。


…こんな夜、知ってる。
…ひとりぼっちだった夜。


シンと青白く光る帰り道。
ドキドキするぐらい、大きくて明るい月。
胸がギュッとなって苦しいぐらい。……苦しいよ。



 「…月はキライ」


 「…どうして?」



月は眩しすぎて、星が見えにくくなる
まるで、星が消えてしまったみたい

明るく照らす地上には、誰もいなくって、寂しくって、涙がでる
小さい頃、一人だったあの頃を、思い出す



「月は星を吸いとるでしょ?……ボクも吸いとられそうな気がする。吸いとられたのも気づかないで、いつの間にかひとりぼっちになるような気がする」
話してるうちに、いつの間にか涙眼になっていて。それを気づかれないようにするのに必死だった。だから月夜はキライよ。…見られちゃうじゃない。
「…そんなことないよ。だって月夜はね、相手ができる」
アクセルは、急に泣き出しそうになったボクを気にするふうでもなく、そう答えた。
「相手?」
何のことかわからず、キョトンと聞き返す。
「ダンスの相手さ。見てみなよ。ほら」
アクセルが指さすほうを見ると、足下に、長くのびる青い影。
「影?」
「それでは、一曲お願いします」
自分の影にきどって一礼。そしてゆっくりとワルツのステップを踏みだす。
「ワン・ツー・スリー  ワン・ツー・スリー…」
軽く眼を閉じるようにして、大げさな振り付けでニコニコ踊るアクセル。

 トン トン タン  トン トン タン

長い金の髪と赤いバンダナが、体が流れる方向へ、少し遅れてついてくる。

 トン トン タン  トン トン タン…

「あはは、アクセルっておかしいーっ」
思わず笑みがこぼれる。涙はいつの間にか消えていた。
「メイちゃんも踊らない?」
「えっ…」
ふわっと笑いかけられて、一瞬ドキッとしてしまう。
「ボク、踊れないよ…」
クルクル回ってるアクセルが、あんまり楽しそうで、なんだか身体は”踊りたい!”って言ってる。
…でも、自分は踊り方を知らないし、
「こんなに小さいんだもん…」
長い手足で、影も踊ってるようにみえるアクセルに比べて、自分の小さい身体は、なんだか滑稽に見えて。
いつも思ってる。オーガスのように背があれば。ジュンのように可愛くて。セフィーのようにおしとやかで。ディズィーのように素直になって。もっともっと大人なら。…ジョニーは振り向いてくれるんじゃないかなって。
「大丈夫さぁ!こう、まずお辞儀して、キック ターン 右足 左足 ぐるっと回ってさがる 蹴ってさがる かがむ どう、簡単しょ?んじゃ、手をここにおいて…」
ぼんやりと、考え事をしながら見ていたら、急に手を握られた。
アクセルの左手がボクの右手をとって、右手をボクの背中へ。左手は自然とアクセルの腕に置かれた。
「いっくよ~! 足を追いかけてきてねっ」
なに張り切ってるのよっなんて思いながら、あわてて横に出されたアクセルの左足を、ボクの右足が追いかける。
ゆっくり踊りだす、ボクとアクセル。
  トン、   トン タン …
動くたびに、頼りなくフラフラする身体をしっかり支えてくれる、ヒョロッと長い腕。
騒々しくってデリカシーがなくって大きな声で笑って子供っぽいヤツ~なんて思ってたけど、ボクを閉じこめている腕は大人のヒトの腕で。ちょっとだけ、ジョニーに似てる気がして、ドキドキする…
近くなる身体が、なんとなく気恥ずかしくて下を向いていたけど、アクセルが笑ってるような気がして、顔を上げた。そのとたん、澄んだ青空みたいな眼とぶつかった。やっぱり笑ってる。失礼ね。笑わないでよ。…そんな、子供みたいに笑わないでよ…

「これで、君も、レディだね」

…そんなこと言うもんだから、またちょびっと涙がでた。
JOY TO MY LIFE


 ジョニーは打ちのめされていた。今まで生きてきた、決して長くもないが
短くもない人生の中でもベスト3にランクインするほどに。
「……俺と、したことが……」
 苦々しくうめいて宙を仰ぐ。
 と、ジョニーを打ちのめした元凶が、どこか緊張感の欠けた可愛らしい声で
「あのぉ……どうかしたんですかぁ?」
 と尋ねてくる。しかし、ジョニーは敢えて無視を決めこんでいた。
 何より、返す言葉がない。
「このジョニー……一生の不覚だ……」
 それでも、のほほんとした声は降ってくる。
「途中で剣筋が鈍ったから、ウチはラッキーだったけど……
どこか具合でも悪いんですか?」
 悪意がなく、あくまでもジョニーのことを案じているその言葉に観念し、ジョニーは
深く深く嘆息して、ゆっくりと顔を上げた。
 視界に飛び込んできたのは、誰もが認める極上の美少女だった。蜂蜜色の髪は
太陽の光を浴びて眩しいほどに輝いており、
水色の瞳は澄んだ湖のようなきらめきを放っている。
彼女は心配そうにこちらをうかがっていた。座り込んでしまっているこちらに合わせて
屈んでいる様は、可憐の一言に尽きた。
 それでも、その美貌はジョニーの心を動かすことはできなかった。
 何故なら──
「お前……男だろ」
「はい。そーですよ」
 やっとの思いで口にした衝撃の事実をあっさりと肯定され、がっくりと肩を落とす。
「男を……口説いちまうとは……あまりにも不覚だ」
「ああ、この格好にはちょっとワケがありまして」
 自らの衣装を見下ろした美少女……もとい、少年はぴっと人差し指を立てた。
 しかし、そんな彼の言葉も、ジョニーの耳にはロクに入っていない。
「も、いい。わかったから……消えてくれ」
 ジョニーにしては切実な懇願も、少年にとっては機嫌を損ねるものだったらしい。
「……先に剣を向けてきたのはそちらですよ?」
 あどけなさの残る愛らしい顔で睨まれてもまるで迫力はないが、彼がどうやら怒っている
らしいことはわかった。確かに、抜き身の刃物を突きつけられて、いい顔をできる人間はいないだろう。
「判った……俺が悪かった。悪かったから、勘弁してくれ」
 とにかく目の前の小悪魔──脳裏にひらめいた言葉があまりにもぴったりすぎることに、
改めてげんなりするがそれは置いておいて──に立ち去ってほしい一心で詫びる。
 修道女(シスター)のような格好をした少年は、今ひとつ納得できずに首を傾げていたが、
幸運なことにジョニーの心意気は伝わったようだ。
「別に、もう気にしてないからいいですけど……。じゃあウチ、もう行きますよ?」
「ああ。……おっと、このことはくれぐれも他言無用にな」
 胸をなでおろしつつもしっかり釘を刺すのは忘れない。
ジョニーにいつもの調子が戻ってきた証拠である。
「あのぉ……」
「ん?何だ、坊主」
「だから……さっきのクルーにならないかって話、お断りしますね」
 少年が真顔で言ったのを聞き、ジョニーはかくんと顎を外した。
「そんなの当たり前だ。ウチは女子のクルーしか認めてねぇからな」
 ふと、この少年があのセーラー服を着たら可愛いかもしれない、などと考えてしまったことは、
後々墓まで持っていこうと誓う一時の気の迷いである。
 しかし、少年は次の瞬間、ジョニーにとって最も衝撃的な一言を言い放った。
「じゃあ、あなたは女の人しか救わないんですね」
 その言葉に──冗談でなく全身の血の気が引いていった。
 少年に他意はないのだろう。純真無垢に見えるその笑顔からは皮肉の色は見て取れない
──これが悪意に満ち満ちた言葉であるのなら、一体この世の中の何を信じたらいいのか。
 否。だからこそ、なおのことジョニーの胸を鋭くえぐった。
「なん……だって?」
「だって、あなたは救いたいって思う人をクルーに誘うんでしょう?
女の人しかクルーとして認めないって言ったじゃないですか」
 それって、そういうことですよね?
 直球ストレートで尋ねられ、ジョニーの頬を冷や汗が流れる。
「あ~それは、だなあ……」
「ああ、別にいいと思いますよ。人それぞれ、考えてることとか信念とか違いますし。
ウチだって、よく不幸だって言われますけど、ホントにホントに、そんな風に
思ったことなんて一度もないんです」
 あっけらかんと、そんな風に言い切ってしまえるこの少年は、強い。少年が望み、
手に入れた強さとは、強靭な鋼のような、堅さ──そういうものだった。
 しかし。
 すべてを失ったあの日、差しのべられたたくましい腕にジョニーが見たものは、
それとは異なる強さだった。
 包み込むような慈愛と、しなやかさを兼ね備えた、強さ。
 それこそジョニーが憧れ、目指し続けた先にあるものだ。
 だというのに──


『ディズィーを、頼む……』


 そう告げた、断腸の思いでそう言わねばならなかった男の顔を思い出す度、
ジョニーはいたたまれなくなる。
 本当に、あれで良かったのかという後悔が、未だ胸を苛むのだ。
 ディズィーがあの森で、静かに暮らし続けることを望まず、暖かな家族と共に
生きていくことを選んだのは紛れもない事実だ。
 しかし
彼女を守り続けることを贖罪として生きることを誓った男から、その生きがいを──
生きる活力を奪ってしまったこともまた、事実だ。
 しかし、ジョニーは彼、テスタメントをクルーの一員として迎えようとはしなかった。
 理由は、ある。
いくらジョニーのメイシップでも、一度に二体──二人のギアを抱え込むことなど
不可能だったし、もしそのようなことになったら、ツェップや警察機構も、
彼らを見逃してはくれぬだろう。
 こうするより他に、なかったのだ。そのことに、偽りはない。
 しかし
 救いを求めていたのは、ディズィーだけではなかったはずだ。
 テスタメントもまた、己の望まぬ力に振り回され、傷ついてきた。その彼がようやく
たどり着いたひとすじの光明──希望。 


奪ったのは、俺だ。


 胸中でうめいた言葉はあまりにも苦く。
 それでも、後悔を覚えることは許されず。
 答えは未だ、出ない。


 不意に、口の中に広がる錆びた鉄の味。
「……おっと」
 いつの間にか、強く噛みしめすぎた唇から血が流れ出している。
「どうか、したんですか?」
 少年は、まだ辛抱強くこちらを見上げてきている。あるいは、ジョニーが物思いに
ふけっていたのは、存外短い時間だったのかもしれない。
「いいや」
 大きく頭を振って、黒髪の男の顔を意識して頭の中から追い出す。「そういえば、お前さん、
そのカッコには何やら事情があるって言ってたな」
「ええ」
 少年はこくん、と頷いて話し始めた。
 彼の名はブリジットといい、双子の兄がいるのだという。彼が生まれた村には、男児の
双子には災いがあるといわれ、苦渋の末、彼の両親はブリジットを女の子として
育てたのだという。
「ごめんねっていうのが両親の口癖だったんです」
 ブリジットはちょっと笑う。その笑みは、すこしだけさびしそうだ。「ウチは不幸だなんて
思ったこと、一度もないのに。父様と母様と、兄様と暮らせるだけで十分幸せだったのに。
でも、ウチがいくらそう言っても、父様も母様も信じてくれなかったんです」
「だから賞金を稼いで、両親を安心させようとしてたのか」
「ハイ」
「だがな、残念ながら、うちのクルーにはもう賞金はかかってないんだ。あきらめてくれ」
「そのようですね。ご迷惑をおかけしました」
 ぺこりっと頭を下げるブリジットに、少しだけ罪悪感を覚えるが、まあ、知らぬが仏と
いう言葉もあることだし、ここは、自分が賞金首であることは伏せておく。
「だから、ウチはこれから第二の人生を歩むにふさわしい道を探そうと思うんです」
「そうだな」
「だから、ジョニーさんも落ち込んじゃだめです。何があったか知らないけれど、ジョニーさんが
決めたことなら、きっと間違ってないんです。少なくとも、ジョニーさんにとっては。
だから、もっと胸を張らないと」
 ジョニーはまじまじとブリジットを見つめた。わずか14歳の少年に説教をされてしまった。
しかし、今日はそんなことすら痛快だ。
「そう、だな。ありがとうよ、ブリジット」
「いえいえ。どういたしまして」
 ジョニーが手を差し出すと、ブリジットは握手に応じる。その手は小さくてやわらかかったが、
たしかに少年の、そして戦う戦士のものだった。
「じゃあ、今度こそウチ、行きます」
 言って、ブリジットはとんとん、とつま先で地面を叩いた。
「ああ」
「また、会えるといいですね」
「……そうだな」
 返答に微妙な間があいてしまったのは、何というか、複雑な男心というヤツである。
「さよなら。ジョニーさん!」
 言うが早いか、ブリジットは、くるりとジョニーに背を向けて走り去っていった。
 その後姿を見送りながら、ジョニーはため息をひとつ。
 しかし、それは決して苦いものではなかった。
「やれやれ。何ていうか……暴走(スタンピード)ってカンジの坊やだったな」
 つぶやいて空を見上げると、愛しのメイシップが大空を美しく泳いでいた。

 
「ジョニー、手紙が来てるよ」
 メイシップの自室でくつろいでいたジョニーの元に、そう言って手紙を持ってきたメイは、
明らかに不機嫌だった。
「おお、サンキュ。んん~どうしたハニー?可愛い顔が台無しだぜ」
「だってそれ、絶対女の子からだもん!!」
 叫んで、ジョニーに手渡したばかりの手紙を指差す。
 確かに、可愛らしいカンジの封書だったし、書かれている文字は丸文字。
メイが誤解するのも無理はない。
 しかし
 ジョニーは笑って手を振った。
「あ~あ~違う違う。こいつぁな、そうだな……ダチってところか」
「え~!!絶対女の子からだよ。誤魔化そうとしたって、ボクにはわかるんだからねっ」
 しつこく詮索してくるメイに、ジョニーは苦笑するしかない。その手紙には、
差出人のところにブリジットと書かれてあった。
 おそらく、あの、ブリジットだろう。
 中身を覗き込もうとするメイを上手くあしらい、ジョニーは封を開けた。
 中には、便箋と、写真が一枚ずつ。


『新しい居場所を見つけました』


 几帳面な丸文字でそれだけを綴った手紙に苦笑し、写真を見て口笛を吹く。
 そこには、カメラに向かって大きくVサインを出しているブリジットと、彼に腕をとられて
バランスを崩している金髪の青年が映っていた。
こうして並んで映っていると、まるで本物の兄弟のようだ。
「なぁるほど……そうきたか」
 思わず笑って口にすると
「ジョニー!やましいところがないなら、メイにも見せてよ~!!」
「だめだ」
「そーゆーこと言うなら、今晩はジョニーだけ晩御飯ヌキだからね!!」
 焦れたメイが、最終手段を持ち出す。
「おいおい、そりゃ卑怯だろ」
「ふん、ジョニーなんて、知らないんだから!」
 頬をふくらませて怒るメイの頭を優しくなでて、ジョニーは目を細めた。


 これが、俺の幸せってヤツだ。


 じんわりと胸が暖まるのを感じながらジョニーは、とりあえずどうやって
メイのご機嫌をとろうか考え始めた。
メイは、船内の私室で考えていた。

(どうしよう、ボク、病気になっちゃったかも)
そう考えながら、ズキズキといたむ腹部をなでた。ベッドの上で、こっそりと下着を確認してみる。
(やっぱり……。)
そこには、血痕があった。昨日の○○○で気付いたときよりも、シミが広がっている。

そう、メイは生理になっていたのだ。
しかしその存在を知らないメイは、股間から血が出たり下腹部が傷むのを、病気だと思い込んでしまっていたのだ。
ジョニーにはそのことを言えずにいた。こんな四方を海に囲まれた不□○な場所で、薬や手当てが欲しいとわがままを言うわけにはいかないし、何よりも症状を伝えるのが恥ずかしかった。アソコから血が出るなんて……。

「んっ…」
一段と強く、下腹部がいたむ。
汎用の薬は飲んだものの、今だに痛みはおさまらない。やがて、血のシミも隠せないくらいに広まるだろう。
(仕方ないな、お腹痛いことだけでもジョニーに言おう)
メイはよろよろと立ちあがり、ジョニーの船室に向かった。
そこへフォレストが登場した。

「どうしたのですか?病気のことなら私にお任せなさい。」
というとメイを自分の病院へ連れ去った。メイ「きゃああああ!はなしてよう」
フォレスト「おとなしくしなさい。びょうきをなおしてほしいんでしょう?」
そういうと、メイを治療台にくくりつけた。

「さーて。どこが悪いのか調べてみましょう…」がばっ「きゃああ!エッチぃ!スケベ!変態ぃぃぃぃ!見ないでよう」
「ほほう、こんなところから血が…これは重病ですぞ。」
「えっ、悪い病気なの?」
「早速治療を開始します」
スイッチを押すとメイの両手両足は大の字にベッドにくくりつけられた。
「わっ!な、なんで!?」
「さて…」おもむろにメイの乳首をつまんだ。

「フフフ、どんな感じですか?」
「そ、そんなところ関係ないでしょ!?」
「まだわからないのですか?」
「あなたは別に病気でもなんでもありません。それは、人間の女性はみんな経験することなのですよ」
「じゃあなんで…」
「まだわからないようですね。私はただあなたにエッチなことをしたいだけの単なる変質者なんですよおおおほほほ!この間戦った時からあなたの発達途上の体をまんべんなく舐めまわしたいとかかんがえてたんですよ。ほほほ」
「そ、そんなあ!やだあ、やだよう助けてよジョニー」
「むだですよ、彼は私が殺しましたから。」
「ジョ、ジョ二ーが!?そんな!だ、だれかあ」
「無駄ですよ叫んでも。さて、はじめましょうか。」
フォレストは自分の長い舌をのばして、メイの顔をなめまわした。

「うっ、やん!いやあ!やめてぇ」
「ほほほ、顔が唾液だらけですよ。」
そういうと今度は首を伝って服の隙間から胸のほうへ舌を伸ばしていった。


「ほう、生意気にもブラジャーをしているようですね。」
そういうと舌を器用に使ってブラをはずした.「ほほう、これはいいものを手に入れた。」そういうとフォレストはメイのブラジャーを自分の股間にしまいこんだ。

「ほーほほお、ううーんあなたのブラジャーが私のものと接触していると思うだけで勃起してしまいますよ」
「な、なんなのこいつ、この変態!(ボクこのままじゃなにされるかわからないよ)」
「変態ですかー、最高の誉め言葉だ。じゃあそれ相応の行動をしなければいけませんね」そういうと再び舌を服の中に滑り込ませると乳首を刺激し、もう一方の胸を服の上から揉みまくった。

「きゃああ、いやああ、やだあああ、やめてえええ」
「ほほほ、いやがる女性を無理やり犯すというのはいつしてみてもいいものだ。とくに今回はこんなロリロリ娘ですからね。いや、まったくもっておいしい胸だ。」
「い、いやぁぁ、もう許してよう!こわいよぉ。
(ぶるぶる)ひっく、うぐっ、ぐすっ…」
「それではそろそろ、下の方も拝見しますか。その間これに胸の相手をしてもらうとよいでしょう。」ぴっ!ウィーン。天井からやけにリアルな手やら触手が無数に下りてきた。
それらは想像を絶する激しさで胸をもみしだいた。

「う、うわああああ、い、痛いよおおお、やだああ」
「ふふふ、もっと嫌がりなさい。私はあなたが嫌がるほど感じてしまうんですよ.」
びりびりぃ!フォレストはメイのタイツのあそこの部分だけ見えるように切り裂いた。
なき叫ぶメイにはかまわず、フぁウストは被っていた袋から細長い 舌を伸ばす。

「おや、嫌がっていたわりには…」破れたタイツの間からは目に見える程の愛液が流れ出ている。フぁウストはメイの濡れたマ○コを指で押し広げ ると、その長い舌をゆっくりと押し込んだ。
「やっ!やめて!痛い、痛い」
「口では嫌がってもオマ○コは正直ですね」
「な、何を言って…」フぁウストはメイの愛液をすくうとメイの顔に塗りつける「ほら、これがあなたが感じているという証ですよ」
「か、感じてなんか、ひぐっ」フぁウストの指がメイのオマ○コを激しく出入りする「そんな嘘つきには…」
「はぁ、やっ、やめっ、あっ」空に向かって何かを投げたフぁウストの手に巨大なメスが落ちてくる。

「手術が必要ですね」フぁウストは小さな薬瓶をとりだすとメイの体にかけだす「何するの」
「なに、ほんの少し神経が過敏になるだけですよ」小瓶が空になころには小さいながらもメイの乳首は大きく反り立ち、クリトリスは一回りも大きさを増し。

「素敵ですよ、これがあの空賊のメイだとは誰も思わないでしょう」

(空賊?…そうだ、まだ生きている仲間がいるかもしれない)メイはジョニーや自分が敵わない相手にでも、仲間達と協力すれば逃げることならできるだろうと考えた。

「さてと、そろそろ手術を始めますか」フぁウストは大きなメスを振り上げるとメイの股間めがけて振り下ろした。

 「きゃっ!……あれ?」おもわず目を閉じるメイ、だが痛みはいつまでたってもやってこない。

「安心していいデスヨ。ただ陰核の皮を剥いただけですカラ、ホラ」フぁウストに触られた瞬間、ビリッ!という激しい痛みがメイのクリトリスに走る。

「何…コレ?」
「感謝してほしいものデス、皮被りをタダで直してやったんですカラ」
見ると、股間で大きくなっていたクリトリスが皮を破ってそそり立っていた。
「なっ!?」
「まだまだこれからデスよ」そう言うとフぁウストは針を数本取り出し、メイの剥き出しになったクリトリスに突き刺した。

「ぎゃあぁぁっ」悲鳴と共にメイの股間からは勢いよく赤い色のおしっこが飛び出し、フぁウストの顔にかかる。
「う~んビューティフル!でもメイさん、もっとイイ声で鳴いてくださいよ」
「あふ、あっ、ああっ、っ……ぃゃ」フぁウストが針を巨大メスで器用に叩くたびメイの口から声が、股間から愛液が漏れてくる。
そして狂宴はいつ果てるともなく続くのだった。








メイシップの機上で、二人は対峙していた。
雲海から覗く満月に照らされる機上。
イノとメイ。今まさに終わらない夜に、猛り狂う衝動のままに舞い踊ろうとする二人。

「ジョニー・・・頑張るからね!」
「もう我慢できないの」

二人が視線を合わせた瞬間、動く!
メイが自慢の怪力でイカリを振り回してイノの体にそれを叩きつけようとする。
当たった!そう思った瞬間には、イノの体はそこには無い。僅かに早くバックステップでそれを避けている。

「ふふ、動かないでね」

宙に浮いたその姿勢から、イノがメイに鋭い突撃をする。

「効かないよ!」

とっさにそれをイカリで防ぐメイ。だが、着地と同時に放たれた足払いによって姿勢が崩されてしまう。

「きゃっ!」

すかさずそこにイノの猛攻が始まる。
どこからともなく現れたアンプが、メイの体にとてつもない衝撃を叩き込み、今度はメイの体が宙に舞う。
パンチ、キック、ギターでの殴打。そして、

「もう、たまらない!」

ひときわかき鳴らされたギターの衝撃がメイを地に落とす。

「わわわわわ!」

急いで起き上がり、体勢を立て直そうとする。

「イルカさん!」

イルカでイノを牽制しようとするが、

「プレゼント」

イノがキターをかき鳴らすとイルカが消えてしまう。

「嘘っ!」

がら空きになったメイの体にイノが走りながら下段から上段へとさするようにする。

「コッチがお留守よ」

たださすっただけのように見えたそれが、赤いオーラを纏ってメイを襲い、ついにメイの意識が途切れる。

「ごめんね、ジョニー・・・」

溢れるような赤いオーラが、まるで戦いの終わりだとでもいうようにメイのイカリを砕く。





と、メイが目を覚ますと、変な浮遊感がり、目の前にはイノがいた。

「・・・・な、何?」

まだ朦朧とする意識で状況を確認してみる。どうやら、何かで体を壁に止められているようだった。
それは、見覚えのある色をした杭。いや、砕けたメイのイカリの欠片。
それでメイは、まるで昆虫採集の虫のように、壁に止められていた。

「ふふふ、好きな人のために戦うなんて、おませさんね」

イノが満面の、それでいて不吉な笑みを零す。

「何をするの・・・」

メイが怯えながら尋ねる。
さっきの戦いの傷のせいで、まだ体は動きそうにない。

「ちょっと、手ほどきをしてあげようと思って」

イノが、一本の欠片を手に取ってメイの頬にペタペタと当てる。
それは偶然か、丸みをおびた棒の形になっていた。

「男の人とのお勉強、よ」

メイの唇にそれを当てるイノ。

「んっ!んん~~~!!」

口を塞いで必死にそれを拒むメイ。

「ダメじゃない、ちゃんとお勉強しましょ」

メイの鼻をつまむイノ。呼吸のできなくなったメイが口を開けると、そこにすかさず棒を入れるイノ。

「それを好きな人だと思って、ご奉仕するの。んふふ・・・」

「ふぁんなふぉとふぇきな・・・うんっ!」
(そんな事できない・・・)

メイが何もしないでいると、イノは自分から棒を動かしてメイの口の中を蹂躙する。

「い~いい?こうやって奥まで入れられたら、根元から舌で舐めてあげるの、それでね・・・」

執拗に口の中を棒でかき回すイノ。メイは吐き気を模様して、体をぴくりぴくりとさせるけれど、その度にイノが壁にメイの体を押し付ける。

「ぷっはあ・・ああ」

ようやく棒を口から抜かれてみると、メイはすっかり憔悴しきっていた。嘔吐感が襲っても、何もできないで押さえつけられたせいで、逆流する胃液で気分が最悪に。口を蹂躙されるという初めての行為による精神的な疲労。メイはぐったりと壁に磔られたままの姿勢で抵抗をやめてしまう。

「もう・・・嫌だよぉ・・・」

「まだまだ、お勉強はこれからなのよ」

イノは楽しげに笑って、メイの股間に手を入れる。
まだ毛も生えていない、誰にも触れさせていないそこに手を触れられたという事で、メイは顔を赤面させつつかすかな抵抗をする。

「やめて・・・やめてよぉ・・・」

メイが太ももに力を入れて、閉じようとする。でも、大きく開かれた状態で磔られた足は閉じる事もできない。
イノに秘所をいじられるメイ。メイのクリトリスをつまんだり、線のような秘所をなぞる。

「うふふ・・・そろそろいいかしら」

イノが、棒をメイの秘所に添える。
そこは、苦痛と屈辱からか快感の並は表れず、まるで濡れていなかった。
そして、メイの耳元で囁く。

「天国見せてあげる」

イノが、棒を一気に秘所に挿入する。

ずぶっ!ずぶう!

「いやああっ!ああっ!ああああっ!」

メイが、それまでのかすれた声からは考えられないほど叫んで目をいっぱいに見開く。
口が、何かを言おうとパクパクと開いたり閉まったりする。しかし、そこから出るのは言葉ではなく息だけ。
どうにもできない陵辱に、メイは苦痛を叫ぶ事すらできない。
濡れていないメイの秘所からは、皮膜と棒がこすれる事で擦り切れる傷から溢れた血が滴る。
壁の下には、真っ赤な点が生まれる。

「気持ちいい?」

イノが、メイの苦痛など知った事でもないという風に棒を動かす。
円を描くような横運動。押し込むようなピストン運動。
動けないメイを相手に、メイを壊すかというくらいに激しく棒を動かすイノ。

「好きな男に抱かれる練習ができてよかったな!色餓鬼が!たっぷり勉強して、すぐに使ってもらえるくらいになるといいぜ」
イノが耳元で囁く。

「ジョニーに・・・ジョニーにこんな酷い事・・・されたくなんて・・・きゃうっ!」

「好きな男に抱かれるために戦ってたクセに、何をいってんだ?」

イノがさらに激しく棒を動かす。
メイの子宮の奥深くまで、叩きつけるように棒を突っ込む。

「ち・・・違う・・・そんな・・・あうっ!くあっ!」

「ま、そんなのどうでもいいんだけどな。とりあえず、楽しめればよ」

「そんな・・ひっ!・・・ひああっ!・・・酷い・・・」

と、メイがガクリと首をうなだれてしまう。
あまりにも激しい打ち付けるような陵辱に、失神してしまったようだった。
イノは、そのまま棒をメイの膣内に突っ込むと、つまらなそうに鼻を鳴らす。

「つまんねぇな・・・」

イノは、仕方が無いという風にあたりを見回して、シップの内部に入って行く。
そして、戦いの邪魔しないように、としていた他のクルー達で遊んでいった。
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