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所在無く揺らめいているひとつの影
重たい重たい不安の中でまどろんでいる
それが何か、あたしはよく知っている
遥か遠くに見慣れた光を見つけた
声を掛けようとして
でも できなくて
あたしはくるりと身を翻して
まるで逃げるようにその場から走り去った

小さな世界は、オーガンディのような柔らかな膜で包み込まれている
まだ、破らないで…




困ったように揺らいだひとつの灯火
それは、目を覆うガラスに跳ね返った一筋の耀き
それが何か、あたしはよく知っている
立ち止まり俯いたまま微動だにしない
赤い炎を捕まえようとして
でも 怖くなって
思わず伸ばしそうになった手を
あたしは引っ込め、胸で組み、そしてうな垂れた

小さな世界は、砕けたエメラルドのようなラメ緑に淡く耀いている
まだ、瞬いている…




暗闇に放りだされた赤いパッケージ
それは遠ざかった過去の思い出
それが何か、あたしはよく知っている
薄紫のため息を零す唇
輪郭に指を滑らそうとして
でも 姿は消えて
あたしは息を飲み込み、膝を付き、ただすすり泣いた




小さな世界は記憶の世界

優しくて残酷なこの世界はあたしの時を止める

この夢の中で死ぬ事が出来たらば

あたしはどんなにか幸せだろう




女々しいと思う
 所在無く揺らめいているのはあたしだから

馬鹿馬鹿しいとも、思う
 重たい重たい不安の中でまどろんでいるのはあたしだから

それでも、このままでいたい
 煙と共に消えたのはあの人だから

けど
ゆらりゆらりとこの世界に流されて
このままあたしはどこへ辿り着くのだろう?




ふと、炎の燃える音で目覚めた
薄暗いダンジョンの片隅で揺れるその光に
あたしの中の小さな世界が薄らいでいったのは
彼の吸っていた銘柄が
あの人と同じ、それだけではないと
そう信じたがっている自分を見いだした




きっと
彼はまだ、気付いてない








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