青い手とバルサです。
作品の中ではバルサって処女だと思うんですが…5話見たらこんな
妄想が。
集落から離れた場所に崩れかけた小屋が建っていた。その人々から見捨て
られたような小屋の外に馬が二頭繋がれている。小屋の中には蠢く影。偶に
差し込む月光でそれが男と女だと分かる。
聞こえてくるのは苦しげな息遣い。だが時折聞く者が羞恥を覚えるような
甘い声も上がった。
「も…いいかげんにし…」
「これくらいで音を上げるなんて、おまえらしくもない」
組み敷いていた女の身体を抱きかかえるようにしたまま上体を反転させ、
男は女に自分の身体を跨がせた。
「ちょっと」
瞬間たじろぐ女をよそに、その細い腰を掴んで下から突き上げた。
「ああっ」
しなやかな背が反り返る。豊かな乳房が前へと突き出され、ひどく淫猥な
光景だった。
誘われるように両胸に手を伸ばし、突き上げる腰はそのままに、思うさま
揉みしだく。張りのある肉が手の平でたわむ感触を男は楽しんだ。
「いいのか?」
「う、るさ」
「俺の腹が水浸しだ」
男の言葉どおり、その腹は女がこぼした蜜で濡れていた。恥ずかしさから
か女が身を捩る。仕置きのように乳首を摘まみ上げると、接合した部分から
さらに蜜が溢れ出した。
「素直になったらどうだ、バルサ」
腰を小刻みに揺らす。男の陰毛が女の固くなった陰核を擦りあげ、思わぬ
快感を呼び起こす。女はその感覚を追って自ら無意識に腰を揺らしたことに
気づいていなかった。その様子に男が哂った。
「もっと乱れてみろ」
夜闇に浮かび上がる女の白い身体が快楽に溺れるさま見てみたかった。
男が激しく腰を突き上げ始めた。女の腰を掴み奥へ奥へと侵入する。時に
円を描くようにすると、思わぬ場所を抉られた女が堪え切れずに声を上げた。
「ああっ…んっ、んっ」
甘く高い女の声が、切羽詰ったようなものに変わる。男は心得たように腰
を打ち付ける。肉のぶつかる音と、淫靡な水音と、男と女の熱い息遣いが響
き渡る。
「んっ、んっ、あっ、ああっ…!」
ひと際高く女が声を上げた。その背が反り、長い髪が男の脚に触れた。
びくびくと締め付ける女の内側の感触を楽しみながら、男は女の反った背
を支えたまま再度床に組み敷いた。
「!!やめ、あっ、ああっ」
達したばかりの身体を正面から貫かれ、途切れない快感から逃げようと女
が男の胸を叩く。
「こんなんじゃ全然足りない」
「ああんっ、あっ…ああんっ」
男は女の両膝の裏を両肩に付くくらいに押さえつけた。女の性器が濡れて
光っている。そこに男の赤黒い性器が出入りを繰り返す。その都度女のそこ
は蜜を吐き出した。
――― このままよがり殺してしまいたい。
淫猥な光景を目にしながら男はそう思った。何度も極みに導いて、自分の
与える快楽のうちに命を奪ってしまいたい。
男が内臓まで抉ろうとするかの勢いで女を突き上げる。女の唇から喘ぎ声
が止まらなくなった。うねるような襞の動きで、女の絶頂が近いことが分か
った。
最奥まで貫いた。
「あぁっ…!!」
女が啼いた。男の肉を強く締め付け、びくびくと内部が痙攣する。
官能に耐える顔をする女が愛しく、男は吸い寄せられるように唇を重ねて
いた。それは身体の繋がりを幾度か持った男と女の初めての口付けだった。
女の目が見開かれる。男は内部に放ちたい気持ちを抑え、女の腹に放った。
「いい女だ」
「冗談はよしとくれよ」
荒かった息が整った女は、床から身を起こし支度を始めた。無駄のない身
体にはたくさんの傷痕があり、女の生き方を物語っていた。
「こんなに逞しくて淫蕩で…あの男は知ってるのか?」
男の一言に女ははっと顔を上げる。小さいときから自分を見守り続けてく
れている大切な男の顔が思い浮かぶ。
その好意を知っていながら自分はこの男とこうして身体を結んでいる。
「おまえは何を恐れているんだ、短槍使いのバルサよ。その心のまま、あ
の男の腕に抱かれればよいものを」
「よけいな…ことだよ」
服を着終えた女は、最後に長い髪を後ろでひと括りに結わいた。
「よけいなこと、ね」
男が女の身体を引き寄せる。
「痕を残さないように気を使っているというのに、つれないことだ。何な
らこの首筋に髪を下ろさねばならぬ痕でも残してやろうか」
「やめっ!」
男の唇がうなじを這う感触に女が身を翻した。首筋に手をあて息を乱す女
を男が笑う。
「心と身体が矛盾してこそ人間だ。今日のところは許してやろう」
男も身支度を始めるのを見て女がほっと息をつく。
まだ夜明けまでは遠い時間帯、男と女はそれぞれの馬の手綱を握っていた。
「今日のことは先日の馬の借りだ」
「おまえは律儀で可哀想な女だな、バルサ」
男は鐙に足をかけ馬に跨った。
「身体が乾いたらいつでも呼ぶことだ。貸し借りなく応じてやるぞ」
「…何のことだ」
「俺の前では普通の女で構わんということだ。淫らなおまえも知っている」
女は口を引き結び何も言わなかった。
口元で笑った男も何も言わず、馬を走らせてその場を去った。
「…普通の女、か」
熱の引いた身体を自分の腕で抱きしめる。ふと、唇に男のそれの感触を思
い出す。これまで一度もなかった行為。
女は指先で唇を辿った。しかし、何かを吹っ切るように右手の甲でそれを
拭った。
――― そんなもの、今更なれやしないよ。
自嘲気味に哂った女は馬に乗り、日の出の遠い夜の闇に消えていった。
〈終〉
作品の中ではバルサって処女だと思うんですが…5話見たらこんな
妄想が。
集落から離れた場所に崩れかけた小屋が建っていた。その人々から見捨て
られたような小屋の外に馬が二頭繋がれている。小屋の中には蠢く影。偶に
差し込む月光でそれが男と女だと分かる。
聞こえてくるのは苦しげな息遣い。だが時折聞く者が羞恥を覚えるような
甘い声も上がった。
「も…いいかげんにし…」
「これくらいで音を上げるなんて、おまえらしくもない」
組み敷いていた女の身体を抱きかかえるようにしたまま上体を反転させ、
男は女に自分の身体を跨がせた。
「ちょっと」
瞬間たじろぐ女をよそに、その細い腰を掴んで下から突き上げた。
「ああっ」
しなやかな背が反り返る。豊かな乳房が前へと突き出され、ひどく淫猥な
光景だった。
誘われるように両胸に手を伸ばし、突き上げる腰はそのままに、思うさま
揉みしだく。張りのある肉が手の平でたわむ感触を男は楽しんだ。
「いいのか?」
「う、るさ」
「俺の腹が水浸しだ」
男の言葉どおり、その腹は女がこぼした蜜で濡れていた。恥ずかしさから
か女が身を捩る。仕置きのように乳首を摘まみ上げると、接合した部分から
さらに蜜が溢れ出した。
「素直になったらどうだ、バルサ」
腰を小刻みに揺らす。男の陰毛が女の固くなった陰核を擦りあげ、思わぬ
快感を呼び起こす。女はその感覚を追って自ら無意識に腰を揺らしたことに
気づいていなかった。その様子に男が哂った。
「もっと乱れてみろ」
夜闇に浮かび上がる女の白い身体が快楽に溺れるさま見てみたかった。
男が激しく腰を突き上げ始めた。女の腰を掴み奥へ奥へと侵入する。時に
円を描くようにすると、思わぬ場所を抉られた女が堪え切れずに声を上げた。
「ああっ…んっ、んっ」
甘く高い女の声が、切羽詰ったようなものに変わる。男は心得たように腰
を打ち付ける。肉のぶつかる音と、淫靡な水音と、男と女の熱い息遣いが響
き渡る。
「んっ、んっ、あっ、ああっ…!」
ひと際高く女が声を上げた。その背が反り、長い髪が男の脚に触れた。
びくびくと締め付ける女の内側の感触を楽しみながら、男は女の反った背
を支えたまま再度床に組み敷いた。
「!!やめ、あっ、ああっ」
達したばかりの身体を正面から貫かれ、途切れない快感から逃げようと女
が男の胸を叩く。
「こんなんじゃ全然足りない」
「ああんっ、あっ…ああんっ」
男は女の両膝の裏を両肩に付くくらいに押さえつけた。女の性器が濡れて
光っている。そこに男の赤黒い性器が出入りを繰り返す。その都度女のそこ
は蜜を吐き出した。
――― このままよがり殺してしまいたい。
淫猥な光景を目にしながら男はそう思った。何度も極みに導いて、自分の
与える快楽のうちに命を奪ってしまいたい。
男が内臓まで抉ろうとするかの勢いで女を突き上げる。女の唇から喘ぎ声
が止まらなくなった。うねるような襞の動きで、女の絶頂が近いことが分か
った。
最奥まで貫いた。
「あぁっ…!!」
女が啼いた。男の肉を強く締め付け、びくびくと内部が痙攣する。
官能に耐える顔をする女が愛しく、男は吸い寄せられるように唇を重ねて
いた。それは身体の繋がりを幾度か持った男と女の初めての口付けだった。
女の目が見開かれる。男は内部に放ちたい気持ちを抑え、女の腹に放った。
「いい女だ」
「冗談はよしとくれよ」
荒かった息が整った女は、床から身を起こし支度を始めた。無駄のない身
体にはたくさんの傷痕があり、女の生き方を物語っていた。
「こんなに逞しくて淫蕩で…あの男は知ってるのか?」
男の一言に女ははっと顔を上げる。小さいときから自分を見守り続けてく
れている大切な男の顔が思い浮かぶ。
その好意を知っていながら自分はこの男とこうして身体を結んでいる。
「おまえは何を恐れているんだ、短槍使いのバルサよ。その心のまま、あ
の男の腕に抱かれればよいものを」
「よけいな…ことだよ」
服を着終えた女は、最後に長い髪を後ろでひと括りに結わいた。
「よけいなこと、ね」
男が女の身体を引き寄せる。
「痕を残さないように気を使っているというのに、つれないことだ。何な
らこの首筋に髪を下ろさねばならぬ痕でも残してやろうか」
「やめっ!」
男の唇がうなじを這う感触に女が身を翻した。首筋に手をあて息を乱す女
を男が笑う。
「心と身体が矛盾してこそ人間だ。今日のところは許してやろう」
男も身支度を始めるのを見て女がほっと息をつく。
まだ夜明けまでは遠い時間帯、男と女はそれぞれの馬の手綱を握っていた。
「今日のことは先日の馬の借りだ」
「おまえは律儀で可哀想な女だな、バルサ」
男は鐙に足をかけ馬に跨った。
「身体が乾いたらいつでも呼ぶことだ。貸し借りなく応じてやるぞ」
「…何のことだ」
「俺の前では普通の女で構わんということだ。淫らなおまえも知っている」
女は口を引き結び何も言わなかった。
口元で笑った男も何も言わず、馬を走らせてその場を去った。
「…普通の女、か」
熱の引いた身体を自分の腕で抱きしめる。ふと、唇に男のそれの感触を思
い出す。これまで一度もなかった行為。
女は指先で唇を辿った。しかし、何かを吹っ切るように右手の甲でそれを
拭った。
――― そんなもの、今更なれやしないよ。
自嘲気味に哂った女は馬に乗り、日の出の遠い夜の闇に消えていった。
〈終〉
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