あれは何時の頃からだろうか。
逞しい武人と、激しい眼をした女の子がこの山に出入りするようになったのは。
なんだか人目を避けているような、近寄り難い雰囲気を持っていた様に思う。
しかし、二人は怪我の治療を師匠に求めに、ちょくちょく訪れるようになったのだ。
そして、それは主に女の子の怪我治療を求めての事だった。
なぜ、このがこんな傷だらけになるのか。
治療の手伝いをする時心配で女の子に声を掛けたのが、最初の会話だった。
聞いて見ると女伊達らに、槍の稽古をしているという。
その会話を切っ掛けに、少しづつ二人は打ち解けるようになった。
何時しか、山小屋には、怪我の時だけでなく二人がおとずれるようになり。
女の子とは、幼馴染と言える間柄になっていった。
初めて会ってから、幾度の春を過ごしたのか。
「セイ!ヤッ!」
バルサは少しの暇を見つけると、槍の演舞をしているのが常だった。
まるで何かに追い詰められているように。
「そんなに根を詰めたら、体をいじめるだけだよ」
タンダが言うたび、バルサは眼を光らせるだけだった。
(なんだか、血を絞っているかのような・・・)
その様子は、まるで飢えた獣のようにも見えた。
その姿に胸を衝かれ、切ない気持ちで見守るようになったのは、何時の頃からだったろうか。
息切れを整えるために動きを止めるバルサに、
「ちょっと一息ついでに、一緒にお茶を飲もうよ」と声を掛けるのがならいとなった。
「なあ、バルサ。修行もいいかもしれないが、少しは身づくろいしなよ。」
「必要ない、私は強くなることしか、興味が無いからね。他に気を配る間に槍を振るう方を選ぶよ。」
上気した横顔で答えるバルサ、それをみてタンダは思う。
(・・・きれいだな・・・)野生動物の逞しい美しさが其処にはあった。
ふと足もとを見て、小さな赤い点が眼に留まった。
それを摘み取ってバルサの髪に挿す。
「吾亦紅だよ。小さい花だけれど、私も紅いんだよって言う意味さ。
お前は女を忘れて武術に打ち込んでるって言うけど、俺にはこの花のように紅く見えるよ。」
何気なく言った言葉に気が付いた。
(ああ、俺はこいつのことが好きになっていたんだ。)
バルサは顔を赤らめて言った。
「・・・お前、結構臭いセリフを平気で言う奴だね。」
「え?そうかな、思ったことを素直に言っただけなんだけど?」
「そうだよ、それに女に髪飾りを送るってどういう意味だか知ってるのかい?
結婚の申し込みの印だよ。」
確かに、簪を送るのは、そういう意味だった。
しかし、野の花を簪に例えるとは・・・バルサも俺のことを憎からず思っているのか?
そう気が付いた瞬間、たまらなく愛おしさがこみ上げてきた。
「俺が相手じゃ、いやか?」
ますます頬を染めるバルサ、返事を聞く前に自分でも驚くほどすばやく抱きしめて口付けをした。
本気で抵抗されれば、バルサには敵わないのはわかりきっていたが、
バルサはうろたえた様に身じろぎをしただけだった。
「・・・っぷ、はあ!」
口付けなんか、初めてだった。息を止めたままで付けていた、唇を離す。
「・・・っぷ、ははは、はぁ。お前、生意気だよ。年下の癖に・・・。」
「なんだよ、バルサだって息を止めてたんじゃないか。」
「これは、おかしくて笑っただけだよ。さあ、冗談はこれくらいにして・・・。」
冗談、という言葉を聴いた瞬間に、まだバルサを抱きしめていたままの腕に、力をこめた。
「冗談だと、思ってるのか?」
真っ直ぐにバルサの目を覗き込む。
と、けして揺らいだ事の無いバルサの目が揺らいだ。
こんな目を見たのは、初めてだ・・・。
「あんたの気持ちは嬉しいよ。でも・・・、知ってるだろう。私が何に追われてるか。
ここにちょくちょく来る事だって、本当は気が引けているんだ。それなのに、夫婦になんて・・・
あんたを面倒なことに巻き込みたくないんだよ・・・。」
「ばか!巻き込まれたなんて思うか!」
不意に腹が立った。すばやく左手でバルサの襟を割り、ふくらみを持ち始めた乳房、
その下に刻まれた、今年の冬に癒えたばかりの傷をまさぐった。
「俺だってまだ一人前とは言えないが、呪術師だ。この傷だって俺が縫ったんだ。
お前の事を、守れないわけじゃない。」
「あっ、こら、タンダ、やめっ・・・くすぐったい。」
「止めない。」
左手を傷から乳首に移し乳頭を弄びながら、右手で秘所をまさぐる。
「ああっ、何を・・・、そこはだ、だめだよ!あっ」
バルサがうろたえ、声をあげる間も空しく、腰紐は解かれ誰にも触れさせたことがない
茂みにタンダの手が延び、陰核を舐るように捏ねる。
とたんに、今まで感じた事のない快感が全身に走った。
先ほどまでの演舞で火照っていた体が、快感の火照りを簡単に受け入れてしまう。
タンダはバルサの耳元で囁いた。
「巻き込みたくないとか、そんな他人行儀な事は言わないでくれ・・・。好きなんだ、バルサ。」
最後のつぶやきを塗りこめるように、首筋に唇を這わせる。
「ああ・・・、タ、タンダ、お前、どこでこんな・・・。」
バルサはタンダから与えられる快感を必死で押しやろうとしながら、言った。
情に流されて、大事な者を無くしたく無いのに、抗いがたい。
「俺は医術も収めてるんだよ。人の神経の流れも知ってる、
・・・人の感じる部分も・・・。」
また首筋を舐り、舌を這わせながら胸に顔を近づける。
「んくっ、口付けはあ、下手だっ、った、くせ、んに」
「だって唇では触診しないからだよ。」
胸に到達し、乳頭を口に含む、硬く心地よい弾力を転がしつつ、女陰への攻めも忘れない。
大陰唇をまさぐり、強弱を持たせつつ陰核を刺激し、膣口の入り口を優しくなぞり、男を受け入れが
出来るかどうか、触診するように膣口に少しずつ指を抜き刺ししつつ、女を高めていく。
ちゃ、ちゃ、くちゅ、くちょ、くちゃっ。
蜜の立てる音が大きくなってくる。
「あっあぁ、だめだ、よ、汚い、よそこは・・・、あ、汗だってそんなに、掻いるのに。」
「汗の音じゃないよ、バルサ、知らないの?」
「し、知らないって、なに?」
意地悪をしたくなり、いっそう音を立てる。
ぐちゃ、くちょ、ねちょ、ぐちょ。
「女の人はね、男の人を受け入れる時に、ココから蜜を出すんだよ」
「そ、ん、あ、タンダ、もう、だめやめ・・・。あああ!?」
陰唇に男の唇があった。
べちゃ、ぺちょべちゃ。
先ほどまでの触診でつかんだ、女の快感の場所を拙いながらも的確に舌と唇で捕らえて愛撫する。
バルサにはもう抵抗する事は出来なかった、それどころか火の付いた体をもてあまし、新しいこの感覚に翻弄されていた。
体が大きくうねり、男を受け入れるため、体の命じるまま脚を開いて行く。
この疼きをなんとかして欲しかった。
「バルサ、いくよ」
陰唇から唇を離したタンダが告げる言葉を聞くと、我慢できずに自分からしがみ付いた。
女陰に激痛と、疼きをつきぬけた快感が走る。 破瓜だった。
「バ、バルサ。」
「もう、だめ、我慢、できない。あっあっ!い、いたい、けど、きもちいい。」
いつの間にかタンダを押し倒して上になり、男をむさぼるバルサ。
引き締まった、鍛え抜かれた体のうねり、タンダは圧倒された。
「ばか、私のこと、こんなにさせて、タンダのばか。あっあっあ~~~~~。」
「バルサ、あう、いく、あう!あああ!!」
二人は果てた。
「タンダ、やっぱり、まだあんたと夫婦になることは出来ないよ。
先行きが見えない私には、まだ普通の暮らしの未来が思い描けない。」
「いつか、私のことでの決着が付いて、あんたの気が変わってなかったら、その時には・・・。」
先ほどの激しい情事の後とは思えないほど、静かな目をしてバルサは言った。
むしろ、それまでの思いつめた激しさが、情事で昇華されたかのような穏やかな目だった。
「俺は、待っているよ。お前は渡り鳥みたいだからな。俺はお前の帰る木になる。待っているよ。」
あの時の約束は、まだ果たされていない。
しかし、もうあの時のように、あせっては居ない。
チャグムを伴い、今かたらわらにバルサが居る。
守りたいと思った、あのときの思いは、夫婦などという形が無くても果たせると知ったから。
逞しい武人と、激しい眼をした女の子がこの山に出入りするようになったのは。
なんだか人目を避けているような、近寄り難い雰囲気を持っていた様に思う。
しかし、二人は怪我の治療を師匠に求めに、ちょくちょく訪れるようになったのだ。
そして、それは主に女の子の怪我治療を求めての事だった。
なぜ、このがこんな傷だらけになるのか。
治療の手伝いをする時心配で女の子に声を掛けたのが、最初の会話だった。
聞いて見ると女伊達らに、槍の稽古をしているという。
その会話を切っ掛けに、少しづつ二人は打ち解けるようになった。
何時しか、山小屋には、怪我の時だけでなく二人がおとずれるようになり。
女の子とは、幼馴染と言える間柄になっていった。
初めて会ってから、幾度の春を過ごしたのか。
「セイ!ヤッ!」
バルサは少しの暇を見つけると、槍の演舞をしているのが常だった。
まるで何かに追い詰められているように。
「そんなに根を詰めたら、体をいじめるだけだよ」
タンダが言うたび、バルサは眼を光らせるだけだった。
(なんだか、血を絞っているかのような・・・)
その様子は、まるで飢えた獣のようにも見えた。
その姿に胸を衝かれ、切ない気持ちで見守るようになったのは、何時の頃からだったろうか。
息切れを整えるために動きを止めるバルサに、
「ちょっと一息ついでに、一緒にお茶を飲もうよ」と声を掛けるのがならいとなった。
「なあ、バルサ。修行もいいかもしれないが、少しは身づくろいしなよ。」
「必要ない、私は強くなることしか、興味が無いからね。他に気を配る間に槍を振るう方を選ぶよ。」
上気した横顔で答えるバルサ、それをみてタンダは思う。
(・・・きれいだな・・・)野生動物の逞しい美しさが其処にはあった。
ふと足もとを見て、小さな赤い点が眼に留まった。
それを摘み取ってバルサの髪に挿す。
「吾亦紅だよ。小さい花だけれど、私も紅いんだよって言う意味さ。
お前は女を忘れて武術に打ち込んでるって言うけど、俺にはこの花のように紅く見えるよ。」
何気なく言った言葉に気が付いた。
(ああ、俺はこいつのことが好きになっていたんだ。)
バルサは顔を赤らめて言った。
「・・・お前、結構臭いセリフを平気で言う奴だね。」
「え?そうかな、思ったことを素直に言っただけなんだけど?」
「そうだよ、それに女に髪飾りを送るってどういう意味だか知ってるのかい?
結婚の申し込みの印だよ。」
確かに、簪を送るのは、そういう意味だった。
しかし、野の花を簪に例えるとは・・・バルサも俺のことを憎からず思っているのか?
そう気が付いた瞬間、たまらなく愛おしさがこみ上げてきた。
「俺が相手じゃ、いやか?」
ますます頬を染めるバルサ、返事を聞く前に自分でも驚くほどすばやく抱きしめて口付けをした。
本気で抵抗されれば、バルサには敵わないのはわかりきっていたが、
バルサはうろたえた様に身じろぎをしただけだった。
「・・・っぷ、はあ!」
口付けなんか、初めてだった。息を止めたままで付けていた、唇を離す。
「・・・っぷ、ははは、はぁ。お前、生意気だよ。年下の癖に・・・。」
「なんだよ、バルサだって息を止めてたんじゃないか。」
「これは、おかしくて笑っただけだよ。さあ、冗談はこれくらいにして・・・。」
冗談、という言葉を聴いた瞬間に、まだバルサを抱きしめていたままの腕に、力をこめた。
「冗談だと、思ってるのか?」
真っ直ぐにバルサの目を覗き込む。
と、けして揺らいだ事の無いバルサの目が揺らいだ。
こんな目を見たのは、初めてだ・・・。
「あんたの気持ちは嬉しいよ。でも・・・、知ってるだろう。私が何に追われてるか。
ここにちょくちょく来る事だって、本当は気が引けているんだ。それなのに、夫婦になんて・・・
あんたを面倒なことに巻き込みたくないんだよ・・・。」
「ばか!巻き込まれたなんて思うか!」
不意に腹が立った。すばやく左手でバルサの襟を割り、ふくらみを持ち始めた乳房、
その下に刻まれた、今年の冬に癒えたばかりの傷をまさぐった。
「俺だってまだ一人前とは言えないが、呪術師だ。この傷だって俺が縫ったんだ。
お前の事を、守れないわけじゃない。」
「あっ、こら、タンダ、やめっ・・・くすぐったい。」
「止めない。」
左手を傷から乳首に移し乳頭を弄びながら、右手で秘所をまさぐる。
「ああっ、何を・・・、そこはだ、だめだよ!あっ」
バルサがうろたえ、声をあげる間も空しく、腰紐は解かれ誰にも触れさせたことがない
茂みにタンダの手が延び、陰核を舐るように捏ねる。
とたんに、今まで感じた事のない快感が全身に走った。
先ほどまでの演舞で火照っていた体が、快感の火照りを簡単に受け入れてしまう。
タンダはバルサの耳元で囁いた。
「巻き込みたくないとか、そんな他人行儀な事は言わないでくれ・・・。好きなんだ、バルサ。」
最後のつぶやきを塗りこめるように、首筋に唇を這わせる。
「ああ・・・、タ、タンダ、お前、どこでこんな・・・。」
バルサはタンダから与えられる快感を必死で押しやろうとしながら、言った。
情に流されて、大事な者を無くしたく無いのに、抗いがたい。
「俺は医術も収めてるんだよ。人の神経の流れも知ってる、
・・・人の感じる部分も・・・。」
また首筋を舐り、舌を這わせながら胸に顔を近づける。
「んくっ、口付けはあ、下手だっ、った、くせ、んに」
「だって唇では触診しないからだよ。」
胸に到達し、乳頭を口に含む、硬く心地よい弾力を転がしつつ、女陰への攻めも忘れない。
大陰唇をまさぐり、強弱を持たせつつ陰核を刺激し、膣口の入り口を優しくなぞり、男を受け入れが
出来るかどうか、触診するように膣口に少しずつ指を抜き刺ししつつ、女を高めていく。
ちゃ、ちゃ、くちゅ、くちょ、くちゃっ。
蜜の立てる音が大きくなってくる。
「あっあぁ、だめだ、よ、汚い、よそこは・・・、あ、汗だってそんなに、掻いるのに。」
「汗の音じゃないよ、バルサ、知らないの?」
「し、知らないって、なに?」
意地悪をしたくなり、いっそう音を立てる。
ぐちゃ、くちょ、ねちょ、ぐちょ。
「女の人はね、男の人を受け入れる時に、ココから蜜を出すんだよ」
「そ、ん、あ、タンダ、もう、だめやめ・・・。あああ!?」
陰唇に男の唇があった。
べちゃ、ぺちょべちゃ。
先ほどまでの触診でつかんだ、女の快感の場所を拙いながらも的確に舌と唇で捕らえて愛撫する。
バルサにはもう抵抗する事は出来なかった、それどころか火の付いた体をもてあまし、新しいこの感覚に翻弄されていた。
体が大きくうねり、男を受け入れるため、体の命じるまま脚を開いて行く。
この疼きをなんとかして欲しかった。
「バルサ、いくよ」
陰唇から唇を離したタンダが告げる言葉を聞くと、我慢できずに自分からしがみ付いた。
女陰に激痛と、疼きをつきぬけた快感が走る。 破瓜だった。
「バ、バルサ。」
「もう、だめ、我慢、できない。あっあっ!い、いたい、けど、きもちいい。」
いつの間にかタンダを押し倒して上になり、男をむさぼるバルサ。
引き締まった、鍛え抜かれた体のうねり、タンダは圧倒された。
「ばか、私のこと、こんなにさせて、タンダのばか。あっあっあ~~~~~。」
「バルサ、あう、いく、あう!あああ!!」
二人は果てた。
「タンダ、やっぱり、まだあんたと夫婦になることは出来ないよ。
先行きが見えない私には、まだ普通の暮らしの未来が思い描けない。」
「いつか、私のことでの決着が付いて、あんたの気が変わってなかったら、その時には・・・。」
先ほどの激しい情事の後とは思えないほど、静かな目をしてバルサは言った。
むしろ、それまでの思いつめた激しさが、情事で昇華されたかのような穏やかな目だった。
「俺は、待っているよ。お前は渡り鳥みたいだからな。俺はお前の帰る木になる。待っているよ。」
あの時の約束は、まだ果たされていない。
しかし、もうあの時のように、あせっては居ない。
チャグムを伴い、今かたらわらにバルサが居る。
守りたいと思った、あのときの思いは、夫婦などという形が無くても果たせると知ったから。
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