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いきなり過ぎて状況が掴めない。
キョトンとした桐生の顔を見て、真島は自分の口許を拭いつつ腹を抱えて笑った。



「はは、桐生チャンは可愛いなぁ!…水鉄砲ってな、“龍吐水”言うんやて。」



ほんまもんの龍に龍吐水引っ掛けてみたらオモロイ思たんや!
いや、桐生チャンの反応はほんまオモロかったでぇ!


爽快に笑う顔には「口から水をブッ掛けたのは只それだけの理由だ」という事を如実に表している。

桐生の肩が怒りに震えている事には気付いていない。



「ほんまはちゃ~んと水鉄砲用意したかってんけど、桐生チャンが“やめろ”言うから、しゃあないから口でやってみたんやで……って聞いとんのか??」



顔をずいっと近付ける。
その瞬間を見逃さず、桐生はコップを奪うと素早く口に含み。








ブ―――――ッッ


ビシャビシャ





勢いよく、顔に水を噴き掛けてやった。
 
「つ、冷たっ!!」

「これでおあいこです。」



顔を拭う真島に、桐生はフンと鼻を鳴らして自分も顔を拭う。
一方的にやられるのは嫌いらしい。

水で額に張り付いた前髪を払うと、真島はニヤリと笑った。



「これがほんもんの龍吐水ってか?…オモロイやないか!」


隙をついてコップを奪い返し、水を口に含んで素早く噴き出す。
桐生は横に転がり、それを避ける。


イイ年した男二人が、テーブルを挟んで睨み合う。
が、獲物は水のみ。



「やるやないかぁ、流石は桐生チャンやで!ほならこの水が無くなるのが先か、桐生チャンがまた濡れるんが先か勝負しようやないかぁ!!」

「勝負ってなら受けて立つ!」





血の毛が多いのは元極道者同士だからか。
遊びも真剣にやる二人を漸く止めたのは、学校から帰ってくるやいなやビショビショになった床を見て怒った少女、遥だった…。



「もう、床を水浸しにして!誰が拭くと思ってるの!?おじさん達、もう大人でしょ!!」

「堪忍してやぁ嬢ちゃ~ん。」

「……ス、スマン遥。」




結局、遥には水鉄砲はちゃんと買って三人で遊ぶ事を約束させられたとか。





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