今日はお茶に誘ってくれて、ありがとう!それで、用ってなぁに?
え?何ですって?
どうして私がうららの誕生日パーティーにパオフゥを呼んだかですって?
う~ん。それはね、確かに色々考える所があったんだけれど、大きく分けて理由は二つかしらね。
一つ目はやっぱり、うららの気持ちを尊重したかったの。
ほら、うららってイベントとか好きじゃない?『歳食うのはイヤ~』なんて言ってたけど。
ん~、私は別にうららと私の二人きりでも良かったのよ。…でも、ねぇ?
うららの性格を考えてみれば、一番喜ぶのは何かなんて一目瞭然でしょ?
あんな胡散臭い男でも、うららの想い人なわけだし。
(そんなこと私は絶対認めないけど)
ん?なになに?え、ヤダ、私は何も言ってないわよ!空耳よ、ソラミミ☆
…ね?
とにかく、私としては少しでも多めにうららに喜んでもらいたくって…。
だからみんなを呼んで大掛かりにしたわけなのよ。
でも本当は迷惑じゃなかったかしら?あんなにキレイなケーキや料理作ってもらったり…。
気にしてない?あ、良かったぁ。じゃ、今度は私の誕生日のときにもお願いしてもいいかしら?
あはは、本当に?じゃあ、是非お願いするわね!わ~ぉ、楽しみぃ~☆
…え?じゃあなんでパオフゥと二人きりにしてあげなかったのか、ですって?
そう!ソレが二つ目の理由なのよ!
あの男とうららを二人きりにしたくなかったからなの。
だって、考えてみて?
あの男とうららを二人っきりにしたりしたら、野蛮な狼にか弱い羊をリボン付きで送るようなものよ!
うららが危険なのなんて目に見えてるじゃない!そう思わない?
ね、ね、思うでしょう。それだけは幾らなんでもダメよ、許せないわよ。
愛するうららをわざわざ身の危険に晒させるような真似、できやしないわ!
(…いざとなったらこの手でチョメチョメする準備はできてるけどネ)
ん?何か聞こえた?やーだ、きっと幻聴だゾ!忙しすぎて疲れてるんじゃないかしら?無理は禁物だゾ☆
結局、今回のパーティー作戦はいいかんじで幕を閉じたと思うんだけど、どうかしら。
あはは、そう言ってもらえると企画した甲斐があったわ~~~~☆
そうね、私自身にとっても色々と実りの多い、素敵なパーティーだったわ。うふふ☆
また機会があれば、ああやってみんなで飲むのも悪くないわよね。
そうだ!今度二人で飲みに行きません?すっごく素敵なバーを見つけたの!ちょっと遠いけど…。
あら?
…ど、どうしたの?顔、真っ赤よ?
+++++++++++++++++
おう、お前か。こんなトコに来るなんて珍しいじゃねぇか。一体何の用だぁ?
芹沢?ああ、まだ来てねぇよ。今日は遅番だからな。
何、そんなこた知ってる?…てめぇ、俺をおちょくってんのか。
あ?この前のパーティーについて一言だと?
ふん。そもそも俺はあんな騒がしい集まりってのは好きじゃねぇんだ。
天野がぎゃいぎゃいと五月蝿いからとりあえず出てやっただけだ。
ったく、あの女はどうにかならんもんかね。俺のことをまるで悪魔かなんかのように考えてるみてぇだぜ。
こっちからすりゃあ、堪ったもんじゃねぇし、第一いい迷惑だ。
いろんな意味でタチが悪い女だな、ありゃぁよぉ。
よくもまぁ芹沢はあんな女と同居して…って、おい!銃こっちに向けるんじゃねぇ!あぶねぇじゃねぇか!
…わ、分かった分かった。お前にとっては天使だもんなぁ。天野は。
あー、そうだなぁ。
酒は上物ばかりだったし、他にもまぁ、…悪くはなかったがな。へへへ。
あん?ケーキはうまかったかだと?
悪いな。俺は酒とケーキは一緒に食わない主義なんでね。一口も食ってねぇ。
それによ、甘いもんなんて漢の食うもんじゃねぇしな。
…っだからっ!銃ちらつかせるんじゃねぇ!そのうち職権濫用で訴えるぞ!
また機会があったら食ってやらなくもねぇがな。まっ、そんな機会はもう二度とねぇだろうがよ。
は?ベランダで渡してた小箱の中身は何かだとぉ?
なっ、なんでお前さんがそんなことを知ってるんだ!?
何ぃ、見てやがっただと!?
お前、寝てたんじゃねぇのか、天野と仲良く並んで…ん?ってこたー、ありゃあ確信犯かぁ?
ほぉー。顔が赤くなりやがったな。あん時も実は起きてたのか。
…ふん、図星か。
甘ちゃんなりに頑張ってんだなぁ。へへへ、たいした進歩だ!
まぁ、これからもその調子でいけや。
ああ?チッ、またその質問か!さぁなぁ、知らねぇなぁ。
…うるせぇ。何だっていいだろぅがよ。お前には関係ねぇ!!
ああ、しつこいしつこいシツコイ!
俺はこれから仕事があるんだ!外回りがあるんだ!
お前も仕事に行くなり、弟の面倒見に行くなりしやがれ!
しっかり働けよ、公務員!
なんだと、今日は休みだと?へっ、そんなの俺の知ったこっちゃねぇ!
いいからとっとと出てけ!!じゃーな!
+++++++++++++
ああ、こっちよ、こっち!チャーオ!
大丈夫、私も今付いた所よぅ。ほら、ケーキもまだ手をつけてないでしょ?
ここのケーキおいしいのよぉ。オススメだから食べてみてね。コーヒーもすぐに来るわよ。
うふふ、この前はありがとうね!
みんなであんな企画考えてくれてたなんて知らなかったわよぅ!
驚きのあまり腰抜けちゃったわ~。正直な話、悪魔の乱入かと思ったくらいだし。
アタシが署に行ったとき変に焦ってたのは、隠してたからなのねぇ。
やだ、謝らないでよぅ!すっごく、嬉しかったんだから!
え、左腕のチェーンブレス良く似合うって?
ほ、本当?どうも有り難う…。
ア、アタシもこれすッごく気に入ってんのよぅ。
アタシの肌と髪の色にあわせて、ホワイトゴールドとルビー!
うふふ。素敵でしょ?オッチョコチョイだからなくさないようにしないとねぇ。
え、誰かからのプレゼントかって?な、な、なんだってそんなこと急にっ。
や、やだ、アタシの顔が赤いって?そ、そんなハズは…。
ま、まぁそんなことどうだっていいじゃないのよぅ…。
この件に関しては似合ってるってことだけで勘弁して~。
そうだ!ところでさっ!どうやらマーヤと上手くいってるみたいじゃない?
アタシ、見ちゃったのよねぇ。うふふふーー。
え、何を見たかって?アラヤダぁ、そんなことこの場で言っても良いわけぇ?
ふふふ…あのねぇ、何見たかっていうとぉ2~3日前の夜9時頃に、鳴海区のホ…
だ、大丈夫?何、ケーキのどに詰まった??大変!!
コ、コーヒー…ってブラックは飲めないって言ってたじゃない!アタシったらバカ!
あわわ。すいませーん!大急ぎでお冷、いただけますかーー?
ケーキ取れた?なに、もう平気?あー、良かったぁ。
ぷっ。はははははは!
あー、面白かった!ほーんと、ウブなのねぇ。大丈夫、誰にも言わないわよぅ。
そういや、この前の夜も二人仲良く並んで眠っちゃっててさぁ、あ、覚えてるわけないか。
あらら、赤くなったわね。もしかして記憶あったのかしら?
ま、これ以上はツッコまないけどねぇ。なんにしても、よかった良かった!
あっ、そろそろ仕事の時間だわ。
アイツが腹空かせて待ってるだろうから、行かないと。
ん?何?
えーと、アイツに『もしかしなくてもパパラチャ?』って、伝えればいいの?
一体何のこと?えー、秘密ぅ?まーっケチねぇ。
…まぁ、いいわ。そう言えばアイツにも分かるのね?
OK、OK!ちゃーんと伝えておくから安心して!
それじゃ、ね。
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